女子代表親善試合、ブラジルから見たなでしこジャパン戦の意義
敗戦から得た大きな収穫
0-2でブラジルが敗れた2戦目(inモルンビースタジアム)は、ブラジルが6人、日本が5人と、両チームともスタメンを大きく入れ替え、戦い方も変えて臨んだ。ブラジル代表では、まさかの新型コロナ感染者が出て、1戦目に1人、2戦目に3人が欠場となった事情もある。ただ、アルトゥールは当初から、多くの選手に出場のチャンスを与えることを、今回の目的の一つとしていた。 2戦目の狙いとしては、よりスピーディーに展開し、ゴールライン際まで使って攻撃するパターンを増やすこと、また守備ではより高い位置から強いプレッシャーをかけていくことだった。しかし、前半に2失点。ブラジルも特に後半は厚みのある攻撃をし、チャンスを作ったが、守りを固める日本に対し、ゴールを決めることができなかった。 それでも、アルトゥールはポジティブだった。 「日本は女子W杯のチームをベースにした、完成度の高い素晴らしいチームだ。その相手に対し、我々は積極的で勇気ある守備ができたし、相手の攻撃に対してフィルターをかけることができた。何より、選手たちは少ない練習の中でポジショニングや役割の変更を理解し、自信を持って、献身的にプレーしていた。もちろん、まだ足りないことは多いが、我われは成長しつつあり、非常に満足している」 同じ相手との連戦で2試合目に結果を出した日本よりも、ブラジルの方が敗戦の痛みを感じていたように見えた。ただ、DFタミーレス(コリンチャンス)は、日本との2試合をこう振り返った。 「勝利からも敗戦からも、良い点と反省点を得ることができる。システムを変えたけど、今は私たちにとって、練習とテストの時。オリンピックでどんな状況に直面しても準備ができているというふうになるために。日本は素晴らしいチームだし、最初から最後まで、非常に集中していた。だから、2試合とも最高にインテンシブなものになったのは、とても重要な状況だった」 そして、FWマルタ(オーランド・プライド)だ。今回は2試合とも途中出場となったが、マルタがピッチに入ると試合に勢いが増した。スタンドの歓声も高まることから、それがチームにエネルギーを注ぐことになるのも見て取れた。その彼女はこの2戦目について、チーム構築中の今、必要なことを再確認したと語っていた。 「2戦目は前半に2失点した後、引き分け、逆転するために取るべきリアクションを取れなかった。日本は技術的なクオリティが高い上に経験豊富なチームだから、スコアに応じてプレーしていた。ボールをキープして、試合の流れを止めるべき時には、きちんと止めるなどね。私たちにも良い面があったけど、サッカーとは結果がモノを言う。成長のプロセスにおいて、私たちはもう少しテストしながらも勝てるようにやっていくことが大事だと思う」