チベット地震「大規模な救出活動終了」…72時間を前に中国当局発表、チベット族に動揺広がる
【上海=田村美穂】中国内陸部のチベット自治区で7日に起きたマグニチュード(M)6・8の地震で、中国当局は9日、大規模な救出活動の終了を発表した。安全に救助できる可能性が高いとされる発生から72時間以内を前にしたもので、米政府系メディアのラジオ自由アジア(RFA)は、少数民族チベット族らに動揺が広がっていると伝えた。
自治区政府の幹部は9日夕の記者会見で「大規模な救助活動はほぼ終了した」と述べた。避難所の生活レベル向上に力を尽くすとした。中国中央テレビは10日、仮設住宅の設置や温かい汁物が配布される避難所の様子を繰り返し報道し、生活再建への動きを強調した。
RFAは9日、チベット族らが当局の発表に困惑し、独自の救助活動を続けていると報じた。当局は126人が死亡したとしているが、RFAは200人以上が亡くなった可能性が高いと指摘した。