ヒカルド・バセラールがレイラ・ピニェイロとの共演で、ジョアン・ドナートに捧げたアルバムを制作
先行シングルは「ルガール・コムン」
マルチ奏者、鍵盤奏者のヒカルド・バセラールが、同じく鍵盤奏者でシンガー・ソングライターでもあるレイラ・ピニェイロとの共演で、ジョアン・ドナート作品に取り組んだカヴァー・アルバム「ドナート」(Jasmin Music)を9月27日に発表する。 アルバムに先駆け、収録曲の「ルガール・コムン」がシングル曲として8月23日に配信されている。 「ルガール・コムン」はジョアン・ドナートの代表曲のひとつで、1975年に発表されたアルバムの表題曲。作詞をジウベルト・ジウ(ジルベルト・ジル)が手掛けている。 「ルガール・コムン」は、故郷であるアクリ州のリオブランコ市で子供のころにドナートが耳にしたメロディが元になっているといわれている。それはアクリ川を船で下っていく男が吹いていた口笛のメロディで、非常にメランコリックだったため印象に残っていたと自身が語っている。 またジウベルト・ジウは、歌詞をバイーアの人々が集うイタプアンのビーチで、この場所を想いながら書き上げたと述べている。 バセラールは「最初にレコーディングしたこの曲でアルバムの美学が打ち立てられました。ヴォーカルとピアノだけの一発録りで3テイク録ったのですが、レイラの歌はとても力強く感動的でした」と語っている。 レイラは「ドナートの作品をアレンジやコンセプトの面で“解体”していくようにアプローチすることは、私にとって大きな挑戦でしたが、楽曲を見てそれぞれの曲の世界に体当たりで飛び込んでいきました。多くの曲は文字通り裏返すような作業となりましたが、ドナートもきっと気に入ってくれただろうと思います」と語っている。 アルバムのレコーディングにはドナート本人の参加も予定されていたが、2023年に他界したためその計画は実現しなかった。 アルバム「ドナート」には、、「ルガール・コムン」、「ア・ハン」、「ヴェルボス・ド・アモール」「ナトゥラウメンチ」、「フロール・ジ・マラクジャ」を含む計12曲が収録される。 アレンジはジャキス・モレレンバウンが担当している。 (文/麻生雅人)