【実家の片づけ】言うと出禁に!? 親に絶対言ってはいけない3つのNGワード
久しぶりに実家に帰省し、家の中が昔と様変わりしているのを目にして驚いた人もいるだろう。 ダンボールが山積みになり、足の踏み場がない部屋。年老いた親の暮らしぶりに心配しつつも、つい厳しい言葉をかけてしまう。しかし、その一言が親の心を閉ざし、親子関係を取り返しのつかないものにしてしまう危険性があることを知ってほしい。 そこで登録者数16万人の人気YouTube「イーブイ片付けチャンネル」の運営者であり、書籍『1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』の著者・二見文直氏に、実家の片づけをめぐるトラブルを防ぐために避けるべきNGワードと、親の抱える「事情」に寄り添う方法について伺った。 大切な親との関係を守りながら、実家を心地よい空間に変えていくためのヒントとは?(構成/ダイヤモンド社・和田史子) ● 「ゴミ」「汚い」「片づけて」は3大NGワード 久しぶりに実家に帰ると、みなさん次のように思うそうです。 「親が老けたなあ」 「実家のモノが多いなあ」 年老いた親御さんは動くのがおっくうになり、暮らし方が変わりました。 ダンボールは廊下に山積みのまま、普段はほとんどこたつの中にいる親御さん、自分の手の届く範囲にすべての生活品が置いてあります。 足元には新聞紙の束で足の踏み場もなく、こたつの上にはみかんとリモコンとテイッシュと薬の束が。湯呑みも電気ポットもテレビのリモコンも全部こたつの上に大集合。ゴミはコンビニの小さな袋にポイ。コンビニの袋もこたつの周りにたくさんあります。もはやお客さんが来ても座る場所がない状態。 こんな実家の様子を見て、思わずこんな言葉を口にしてしまったことはありませんか? 「ゴミは早く捨てたほうがいいよ」 「なんでこんなに部屋が汚いの」 「1つずつでもいいから片づけて!」 どんなに散らかっているとしても、親御さんにとってはそこが唯一の居場所です。にもかかわらず、実家を早く片づけてもらいたいあまり、ついこんな言葉をかけてしまいがちです。 当然ですが、これらは全部禁句です。 「ゴミ」「汚い」「片づけて」は、言えばケンカになるか親子関係が険悪になる3大NGワードです。ほとんどの場合、「もう来ないでいい」「顔も見たくない」と追い返されます。 「だらしがない」「ちゃんとして」といった言葉もダメです。 言われた親御さんやご家族は、自分の存在を否定されたと感じてしまいます。人格否定をされたと感じたら、家だけでなく心の鍵も閉めてしまいます。 ● 親御さんが抱えている「事情」を知る 親御さん自身が抱えている何か「事情」があるかもしれません。 ・足腰が弱くなってしまった(ゴミ捨てに行けずゴミだらけ) ・出かけるのがおっくうで通販で買い物をしている(ダンボールが山積み) ・実は体調が悪く、何かをする気力がわかない(家は散らかし放題) ・ひとり暮らしはさみしいけれど、モノに囲まれていると安心(気づけばモノ屋敷) このような事情があるのに、頭ごなしに否定してしまったとしたら……。親子関係はうまくいきませんよね。 まずは親御さんの話を聞くこと、日常会話からスタートしましょう。体の調子や日々の暮らし、どんな生活をしてているのか。会話の中から、何か困っている「事情」が見えてくるかもしれません。 まずは「事情」を知る。実家の片づけはその後でも遅くはありません。 親と子は、一度関係性が壊れてしまうと、修復するのは至難の業です。僕たちのところにも、「親が口を聞いてくれない」「実家を出禁になった」という理由から、実家の片づけを依頼される方がひっきりなしに訪れます。 久しぶりの帰省の際は、ぜひこのことを思い出していただけるとうれしいです。
二見文直