レッズのスター、デラクルス 盗塁王&三振王&失策王と全てリーグ首位となる史上初の“トリプルクラウン”なるか?
ドミニカ共和国出身のレッズの22歳、エリー・デラクルス遊撃手が今季も“熱い”。 昨季6月からメジャー昇格し、出場15試合目となる6月23日の本拠でのブレーブス戦でサイクル安打達成、さらに7月8日の敵地でのブルワーズ戦では1打者の打席の間に二盗、三盗、本盗を決めるという、とんでもないプレーも記録した。レッズだけでなく、MLB全体としても、注目のスター選手だ。 【写真】飛んでる!?ヘッドスライディングがかっこいい~! 今季はシーズン当初の100盗塁ペースからは落ちているものの37個はメジャー断然トップで依然79盗塁ペース。この数字は昨年のアクーニャ(ブレーブス)の73盗塁を上回っており、1988年リッキー・ヘンダーソン(ヤンキース)、ビンス・コールマン(カージナルス)以来となる。 5月16日の敵地でのドジャース戦では、2012年のイチロー以来となる1試合4安打&4盗塁をマーク。6月16日の敵地でのブルワーズ戦では、二塁走者として投手のけん制球で帰塁、そのけん制球が中堅方向に悪送球となる間に、一気に三塁をまわってホームにヘッドスライディングして間一髪セーフとなり、関係者を驚かせた。 昨年内野手として史上最速の97・9マイル(約157・6キロ)の送球を見せた強肩も群を抜くが、その一方で6月14日の敵地でのブルワーズ戦で3失策するなど15失策はメジャートップ。このままなら32失策ペース。こちらは2015年マーカス・セミエン(アスレチックス・現レンジャーズ)の「35」以来となる。 バッティングでは22日の本拠でのレッドソックス戦で13号含む3安打するなど打球を飛ばす魅力を持つ。それでも、打率は2割4分。極端に低いわけではないが、今季1試合4三振を3度記録するなど今季メジャー最速で三振数が100を突破した(現在101個)。メジャーのシーズン最多三振記録は2009年、ダイヤモンドバックスのマーク・レイノルズの223個。現在のデラクルスのペースは215個だけに、更新する可能性も出てきた。 盗塁と失策ともにリーグトップという選手には、1934年レッドソックスのビリー・ワーバー、殿堂入りのルイス・アパリシオ(ホワイトソックス)が1956年に、1960年ドジャースのモーリー・ウィルス、そしてアスレチックスのバート・キャンパネリスが1967、68年と2度マークしている。また、失策王で三振王は、前記したレイノルズが2008、09年にやっている。だがこの3種類、盗塁、失策、三振のスタッツで同一シーズン中にいずれもトップに立つのは、1901年以降チェックした範囲(黒人リーグは除く)では見当たらない。 身長196センチはあのカル・リプケン(193センチ)を抜いてレギュラー遊撃手では史上最長身ではないかと言われるデラクルス。背の高さだけではない破天荒な記録をどこまで残すのか楽しみにしていきたい。 ※記録はいずれも米時間6月22日現在 (蛭間 豊章∥ベースボールアナリスト)
報知新聞社