「中学受験の算数にセンスは不要」中受のプロ講師が教える苦手教科の伸ばし方
記述問題を空欄にしないコツ
「国語の模試結果を見ると、記述問題の解答が空欄ばかりです。受験する学校は、記述問題がたくさん出るのですが、このままで大丈夫でしょうか」 こんな相談をよく受けますが、普段は日本語を使ってコミュニケーションがとれているはずですので、「練習をしたら書けないことはない」ということをお伝えしています。 100字程度の記述でも長いと感じる子には、まず苦手意識をなくすことが必要なので、私はこんなふうに伝えています。 「X(旧Twitter)という150字程度の文を書くSNS があるんだけど、150字くらいは『つぶやく』レベルなんだよ。難しく考えすぎなくても大丈夫」 わかりやすい文章にするためのポイントは、次の通りです。 ・一文を短くする 一文を短くすると、何を伝えたいのかが明確になり、リズムがよくなります。また主語・述語のねじれもふせげます。 たとえば、「今日は雨が降っていたので塾に行きたくないと思い、お母さんにそう言ったら叱られた」という文は、「今日は雨が降っていた。だから塾に行きたくないと思った。しかし、お母さんにそう言ったら叱られた」のように、一つひとつを短くします。 ・かかる言葉(修飾語)の順番に注意する かかる言葉が2つ以上ある場合は、順番に注意します。 たとえば、「かわいい帽子をかぶった女の子」は、「かわいい」と「帽子をかぶった」と、説明する表現が2つ続きます。したがって、言葉の順番を整理しないと、「かわいい」のが「帽子」なのか「女の子」なのかわかりにくくなってしまいます。そこで「帽子をかぶったかわいい女の子」とすれば、「女の子」が「かわいい」ことがはっきりします。 ・意味の重複がないか意識する 意味の重複は意外に多いものです。「ぼくの将来の夢は、医者になるという夢です」などのように、同じ言葉が出てきていないかも注意しましょう。「貯金を貯める」は「貯金をする」となります。 よくある間違いは「過半数を超える」です。「過半数」にはもう「超える」という意味が含まれているので、「半数を超える」「過半数になる」が正しい表現です。 最初は、原稿用紙(枠)の使い方などを細かく指摘したりせず、書こうとする意識をそがないように自由に書かせてあげましょう。まずは多少、内容には目をつぶって、短い文からでも「書く」ことを習慣づけるといいでしょう。
渋田隆之(中学受験PREX代表、教育コンサルタント)