「中学受験の算数にセンスは不要」中受のプロ講師が教える苦手教科の伸ばし方
語彙力をつけたいなら
中学入試の国語の文章問題では、高校入試や大学入試で扱われてもおかしくないテーマが出題されることもあります。「VR」「ジェンダーギャップ」「子ども食堂」「宗教」「介護」などがテーマになることだって、いまや特別ではありません。 大手塾の国語の授業は、週に2回程度が平均だと思います。ですから、世の中のことに興味を持つきっかけづくりという観点では、家庭での会話が重要になります。 「子どもにこんな難しい社会問題を言ってもわからないだろう」などと考えず、食事のときや車移動のときなど、短時間でもいいので、ニュースで話題になっているような社会問題について会話するようにしておくと、ちりも積もれば山となります。 難関中学をめざす子は、雑学的な知識や一般常識まで、幅広く身につけていることも求められます。わからないことや興味のあることは、保護者と一緒にパソコンで「調べてみること」、そして関連する項目があったら「ふくらませてみること」というのも大切です。 また、文章を読んで出てきたわからない言葉を辞書で調べる力も、今のうちにつけておくべきです。 ただし、小学生向けの辞書には調べたい言葉が載っていないけれど、大人向けの辞書では解説に使われている言葉が理解できずに、さらに辞書で探して無限ループ……ということもあります。入試は時間との勝負でもあるので、辞書で行き詰まったらパソコンで検索をするのもありだと思います。パソコンだと、理解できるところまで細かく調べやすくなります。
記述のスピードを上げるには
長い目で見ると、大学の論文やレポート、社会に出てからの資料作成やビジネスメールなど、生活を送るうえで文章を書かずにすむ日はありません。小学生のうちに身につけた「記述力」は、一生使える大きな武器になります。 よく話すのに、記述問題になるととたんに鉛筆が動かなくなってしまう子は、「書き言葉」に慣れていないかもしれません。対策としては、読書を通して名文に触れることが王道ですが、忙しい受験生は朝日小学生新聞の「天声こども語」を上手に活用するといいでしょう。 「天声こども語」をノートへ書き写すのを習慣化すると、「同じ時間で書ける文字数」が増加していきます。日本語は、主語と述語が離れたところにあるので、一度にとらえることができる文字数を増やすことで、理解力も飛躍的に向上します。また、「天声こども語」は直近のニュースが題材になっているため、読んでおくだけで社会の時事問題対策にもなります。 実際にやってみるとわかるのですが、書き写すスピードは子どもによって大きな差があります(373文字を写すのに、5~15分ぐらいの差があります)。 模試や入試で出題される記述問題では、記述の文字量が想像しているより多いものです。書き写すのが遅い子は、内容がわかっているのに時間オーバーになってしまうというもったいないことも起こります。読むスピードばかりが気になりますが、書くことにも慣れておく練習もしましょう。