伯桜鵬、伊勢ケ浜部屋所属として初日を白星で飾る 横綱経験者3人から指導受ける環境を前向きに
<大相撲夏場所>◇初日◇12日◇東京・両国国技館 西十両8枚目の伯桜鵬(20)が、伊勢ケ浜部屋所属として初日を白星で飾った。立ち合いから一気に、土俵際まで英乃海を寄り立てた。そこから土俵中央まで寄り返されたが、攻めの姿勢を崩さずに寄り切り。「立ち合いから迷わずにいけた。途中、相手の形になりそうになったけど、不利な体勢になった時のことは、宮城野親方(元横綱白鵬)からも、照ノ富士横綱からも言われていた」と、胸を張って話した。 元幕内北青鵬の暴力問題で、先場所まで所属していた宮城野部屋が閉鎖となり、4月から伊勢ケ浜部屋に転籍した。師匠だった宮城野親方も部屋付きとなった伊勢ケ浜部屋は、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と照ノ富士がいたるめ、現役を含む3人もの横綱経験者から指導を受ける充実の環境となった。この日の土俵上で、初めて自身のしこ名の後に伊勢ケ浜部屋所属のアナウンスが流れたが「土俵の上では集中していたので、意識することはなかった」と、冷静に取り切ったという。 横綱経験者3人から指導を受ける環境の変化には「なかなかできる経験じゃない」と、前向きにとらえている。9日には、初めて照ノ富士に胸を借り、約30分間も砂まみれになって立ち向かった。その日の稽古後には「近くに横綱がいるというのはありがたいこと。今までの自分の弱さ、甘さを痛感している」と、感謝していた。その際に照ノ富士からは「自分から動け」や「お前の力を出すためにやってるんだ。お前が待ってどうする」と、積極的に攻めるよう言われていた。同時に宮城野親方からは「これが大相撲だよ。まだ子どもの顔をしている。漢(おとこ)の顔になってない」と言われた。厳しい言葉の数々は期待の裏返し。その期待に応えるような快勝発進となった。