寸法は規格内!? スズキの「電動チョイノリ」、市販なら「特定小型原付」でぜひお願いしたい!
20年前の激安原付「チョイノリ」が、令和に電動で復活するのか!?
隔年で秋に開催されていた「東京モーターショー」が、2023年は「ジャパンモビリティショー」に進化して開催された。出展企業の門戸を広げ、陸上モビリティだけに限らない展示内容となったことで、まさに未来のモビリティ社会をイメージできるショーになっていたことは、会場を訪れた人ならば実感しているのではないだろうか。 まさにモビリティの多様性を感じさせるショーであった。 【画像16点】従来同様、低価格も希望!スズキの電動原付「eチョイノリ」を写真で解説 そんなジャパンモビリティショーにおいて、懐かしく感じる展示もあった。そのひとつはスズキの「eチョイノリ」。2000年代に販売された原付バイク「チョイノリ」をEVとして復活させたコンセプトモデルだ。 「チョイノリ」といえば、リヤサスペンションを持たない構造からもわかるように、徹底的にシンプルなメカニズムとすることでローコストの近距離移動マシンとして開発されたことで印象深い。素材自体に着色することで塗装を省いたフロントカウルも「チョイノリ」のコンセプトを象徴するものだ。 実際、メーカー希望小売価格は5万9800円と当時としても激安だったことで、自転車感覚で購入するユーザーも多かったという。
「eチョイノリ」は電動アシスト自転車のユニットを活用した電動原付コンセプト
そのスタイリングのまま、令和のショー会場に現れたのだから、当時を知る二輪ファンは驚くほかはなかったといえる。 とはいえ、パワートレインは電動化されている。具体的にいえば、スズキが協業するパナソニック サイクルテックから供給された電動アシスト自転車用バッテリーや駆動モーターを使い、ゼロエミッションの電動原付バイクとして仕上げたのが「eチョイノリ」だ。 ジャパンモビリティショーの会場にて、開発に関わったというエンジニア氏に話をうかがったところ、「eチョイノリ」はいわゆる通常の新車開発プログラムから生まれたものではなく、あくまで電動アシスト自転車の電動ユニットを使った研究の一環として試作されたのだという。車体についてもかつてのチョイノリのパーツを使っているなど、現時点では量産については考慮していない段階のプロトタイプといえる。 そして、開発陣としては量産するならば原付バイクとして出すことを想定しているそうだ。安全面などから原付バイクの基準で作りたいという判断は尊重したいが、筆者個人の思いとしては「eチョイノリ」は特定小型原動機付自転車(以下、特定小型原付)として販売する方向で開発してほしいと思う。