ウクライナ軍に待望の強力な機械化旅団が登場 問題は重要な装備の欠如
第155旅団はカエサル自走榴弾砲やレオパルト2A4戦車など屈指の装備を誇る
第155機械化旅団は今年5月に編成されていたものの、9月まではほぼ書類上の存在だった。同月、新旅団の大部分を占める兵士2300人がフランスに渡り、フランス軍の教官ら1500人と訓練を始めた。並行して、第155機械化旅団の戦車大隊に所属する兵士数百人がポーランドに到着し、ポーランド軍との訓練に入った。 フランスは第155機械化旅団に、自国製のカエサル自走榴弾砲やAMX-10RC偵察車、重迫撃砲を装備させた。ポーランドは、スペインの余剰在庫から入手したらしいレオパルト2A4戦車31両を引き渡した。 第155機械化旅団はウクライナ軍の旅団のなかで、最高とまでは言えないがトップクラスの装備を誇る。第47機械化旅団をはじめ、疲弊したほかの重装備旅団と交替もできるはずだ。ウクライナの著名な戦場記者ユーリー・ブトゥソウは第155機械化旅団について「わが国の重要な作戦予備部隊のひとつ」だと説明している。 だがブトゥソウによれば、ウクライナ政府の資金不足のため、第155機械化旅団はドローンと、対ドローンのジャマー(電波妨害装置)が不足している。これは問題だ。小型ドローンはこの戦争の双方で最も重要な監視・攻撃アセットになっている。 既存の旅団がどれほど切実に助力を必要していても、ドローンや対ドローン防御なしで第155機械化旅団が戦闘に参加するのは軍事的に不適切だ。ブトゥソウは不足している装備を購入するための募金をしているので、第155機械化旅団は近いうちに完全装備で戦闘に臨めるようになるかもしれない。 とはいえ、仮に一時的なものであっても、こうした装備が不足しているというのは不吉だ。ロシアが全面侵攻を始めてから2年9カ月あまりで、ウクライナは無人機やジャマーの生産を飛躍的に拡大した。それでも、旅団を数十個増やしても前線のニーズを満たせていないように、ウクライナはドローンを年間100万機以上生産してもまだ足りていない。
David Axe