じつは自由な宗教だった!「イスラム教」への大きな誤解あれこれ
じつのところ、かなり自由な宗教だった!
イスラム教には、「あれもダメ、これもダメ」というように、なにかと規制の多い宗教というイメージがあるかもしれません。しかし、じつのところあらゆる宗教のなかでも非常にゆるく、自由がある宗教がイスラム教なのだそうです。 そもそも、「自由」とはなんでしょう? なんでも好き放題にできることでしょうか? それとも、やりたいと思ったことがなんでもできることでしょうか? 著者もムスリマ(女性のイスラム教徒)になる前は、少なからずそのように思っていたといいます。しかし人間は、「なんでも好き放題にできる自由」にはなれないものでもあります。 たとえばいい例が、食べることや寝ること。人間である以上はそれらから解放されることはなく、「食べも寝もせずに自由に毎日、好き放題やっていく」ことはできないわけです。 イスラムでいう自由とは「選択ができる」ということです。 じつはイスラムでは「宗教に強制があってはならない」とされています。 強制があってはならないので「自分で決めて、自分でおこなう」のです。 イスラムでは、1400年以上前から「〇〇をしなさい!」と強制的に言っておこなわせても、人間は続かないということを教えてきたのです。 ですから、神様アッラーを信じていながら、お酒を飲む人もいますし、お祈りをしない人もいるのです。(125ページより) 「豚肉を食べられないし、お酒も飲めない。女性だったら髪の毛を見せられないし、お祈りだって義務なのでは? だとすれば、まったく自由がないではないか」と思う方もいるでしょう。 が、それはアッラーからの「よりよい人生を送りたいなら、こうしたほうがいいよ」というアドバイスにすぎないということです。 だからこそ、「実行する」か「実行しない」かは自分次第なのだという考え方。 イスラムに、どこか強制的なイメージがあるのは、よいことと悪いこと、実行すべきことや、してはいけないことなどについて明確さがあるからではないかと著者は述べています。 それらは、命、知能、次世代、財産、宗教の5つを守ることを目的にした教えで、決して強制的ではなく、自由に決められるというのです。(124ページより)