米国債市場、新たなドット・プロット注視へ-利下げ3回予想に疑念も
(ブルームバーグ): 米金融当局は19、20両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に最新の四半期経済予測を公表し、当局者の政策金利見通しを示す。米国債トレーダーは今年初め以降、年内の利下げ予測を大幅に後退させてきたが、新たな手がかりを得ることになる。
2月の消費者物価指数(CPI)のうち、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が2カ月連続で予想を上回った後だけに、米国債相場は新たな金利予測分布図(ドット・プロット)に大きく左右される可能性がある。
当局者は昨年12月の前回予測で、2024年中に中央値で計3回の0.25ポイントずつの利下げ見通しを示し、デリバティブ(金融派生商品)市場では13日時点でこれをやや上回る利下げ幅を織り込んでいた。
インフレ率が引き続き2%の当局目標を大きく上回っていることが示されたのを受け、当局者が利下げ回数の見通しを維持するか、減らすのかどうかが新たな疑問として浮上している。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、計19人のFOMC参加者のうち、2人が利下げ見通しを2回に変更しただけで中央値が上方にシフトし、国債利回りの押し上げにつながると警告する。指標となる10年債利回りは既に4.2%前後と、昨年末時点の水準を大幅に上回っている。
BofAの米金利戦略担当ディレクター、メガン・スワイバー氏は「市場は現在、ドット・プロットのどのような変化にも非常に敏感な状態だ」とし、「誰もが最近のデータを見た上で、当局者の四半期予測と政策決定全般にどう影響する可能性があるか考えを巡らせている」と語った。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局は来週のFOMC会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5会合連続で5.25-5.5%に据え置く決定を下すと予想されている。インフレ率が2%に向けて持続的に鈍化しているとの確信はまだ聞かれない。