「演劇をやっている者に与えられるギフト」 高田夏帆×戸田恵子にインタビュー! 舞台『裸足で散歩』が全国17箇所で上演へ
――おふたりは親子の役ということで、ぜひお互いの印象を伺いたいです。 高田 まず、台本を読んで「ママ、これをやったの?すごすぎ!」と思いました(笑)。コリーは、膨大なセリフ量があって、あちらこちらをかき回す役柄なので、本当にすごいなぁと。 でも時期が時期だったので、あんまりお話をする機会がなくて。淡々と稽古をして、たまに更衣室で言葉を交わすぐらいでしたよね? 戸田 そうでしたね。みんなでどこかに出かけることもなく、稽古に取り組む日々でした。 高田 だからあまりコリーのことを戸田さんに聞くことはできなかったのですが……以前、別のインタビューで戸田さんが「夏帆コリーは根性がある」と言ってくださったんです。その言葉を大切に、気持ちだけは強くいこうと思いながら、ずっと演じていました。 戸田 いや、まず初舞台でこの『裸足で散歩』をやるのは、ものすごいタフなチャレンジなんですよ。だから、稽古以外で話をするなんていう余裕もなかったと思うし、毎日、彼女が戦っていることは誰もが分かっていました。 で、無事に舞台の幕が開いて、千秋楽まで頑張れたことは、彼女にとって大きな力になったと思います。きっと毎回本番をやる度にいろいろな発見があったと思うし、これを前回1回だけで終わらせずに、また再演ができるというのは、夏帆ちゃんにとって素晴らしいことだと思う。 私がコリーを演じた経験者だから言うわけではないですけど、本当にメンタルもフィジカルもすべてにおいてタフでないと乗り切れないんですよ。それを1回乗り越えたという経験は大きいし、その上で、今回はいろいろと目標もできてくるでしょうからね。楽しみに思っています。 ――今回の加藤さんと松尾(貴史)さんも引き続きの続投。前回の印象や、今回楽しみにされていることを教えてください。 高田 私が徐々に自我を出せたのが、初日を迎えてからで。加藤さんが「緊張している?大丈夫だよ!」と本番前に軽く声をかけてくれるのが日課になり、癒しになって、緊張がほぐれました。「あ、こういうことも喋っていいのか」と分かったんですよね。 前回は右も左も分からない状態だったので、今回はほんのちょっとだけステップアップしたところから稽古が始められるのかなと思います。 戸田 おふたりともベテランですからね。加藤さんはセリフ量も多いし、初演だったから大変だったと思うんですけれど、その中でも夏帆ちゃんのケアをして、いろいろなことを教えてあげていた印象があります。 松尾さんは……あんな感じですから(笑)。特に問題なく、楽しくお芝居をやらせていただきましたけど、お芝居においては慣れてきすぎてもいけないところもあるから。毎日新鮮にやれたらいいなと思っています。 新しく今回出演する福ちゃん(※福本伸一)は、舞台での共演は初めてですが、ドラマではよくお会いしている。十分に力がある方ですから、また新たに引っ張ってもらえるのではないかなと期待しています。 ――高田さんは福本さんとはご面識はあるのですか? 高田 初めてですね。 『裸足の散歩』の最初のシーンは、私と福本さんふたりだけのシーンなので、福本さんにいろいろ勉強させてもらいつつ、「笑っていいんだよ」とお客さんを和らげる役割を担っていきたいです。早くお稽古したいです!