「今の支持率なら前回選を上回れる」国民民主党・榛葉幹事長が真価問われる参院選に向け決意 新年度予算案への向き合いは“与党次第” 「対応によって我々の立ち位置や戦略戦術はガラッと変わる」
衆議院解散総選挙で躍進を遂げた国民民主党。いわゆる「年収103万円の壁」で注目される中、1月下旬に召集される通常国会や夏の参議院議員選挙などに向け、どのような姿勢や覚悟で臨むのか榛葉賀津也 幹事長(参議院静岡選挙区選出)に話を聞いた。 【画像】衆院選で躍進…真価が問われる国民民主党を屋台骨・榛葉賀津也 幹事長
“103万円の壁”に着目したきっかけは?
2024年10月の衆議院解散総選挙で議席数を大きく伸ばした国民民主党。躍進を遂げた最大の要因がいわゆる“年収103万円の壁”の見直しだ。 国民民主党・榛葉幹事長によれば、103万円の壁に着目したきっかけは大学生から届いた1通のメールで「バイトをしたいけれど、これ以上バイトできない。何とかしてほしい」と訴えられたことだったそうだ。 榛葉幹事長は「国民民主党は先輩方から『若者や働き手の政策ばかりやっている』ということでお叱り受けていることが多かったんですけれども、逆に現役世代の給料や手取りが上がらないと年金が上がらないという、難しい言葉で言えば“マクロ経済スライド”。簡単に言えば、現役の給料が上がれば年金もスライドして上がるというのが、皆さん段々はたと気がついていただいて」と振り返る。 与党が過半数割れしたこともあり、12月11日には自民・公明との3党間で103万円の壁の引き上げとガソリンの暫定税率廃止について合意書を交わし、榛葉幹事長も「幹事長レベルでこの2つをピン留めしたことは、私は評価したい」と手応えを口にした。
平行線をたどる与党との議論
しかし、2025年度の税制改正に向けて与党が提示した所得税の控除額は国民民主党が主張する178万円に遠く及ばない123万円。 国民民主党の古川元久 税調会長は「これではちょっと話にならない」と切り捨てた上で「与党がどういうボールを打つのか見ているんですけれど、(ゴルフに例えると)グリーンにたどり着くことなく途中で日が暮れて『ここで終わり』となりそうな提案」と怒りをあらわにしたが、自民党の宮沢洋一 税調会長は「グリーンに近づいていないという話だが、グリーンがどこにあるか分からないので『グリーンの在りかくらいちゃんと教えてほしい』と申し上げております」と反論した。 翌週、再び3党による税制協議が開かれたが、与党側から新たな提案がないことに国民民主党が激怒。 古川税調会長は「これ以上、協議はできません」と席を立ち、「幹事長のレベルではああいう合意をしても、やる気がないと判断せざるを得ない」と再び怒りの表情をのぞかせた。 これに対し、宮沢税調会長は「誠心誠意対応してきたつもりだが、もちろん協議でありますから考えていることの全部をお伝えしているわけではありません。そうした意味で、さらにお互い妥協する点があるかどうかということを時間がないが、短時間のうちに相談したいと思っている」と話し、石破茂 首相も「いろいろな齟齬もあるのかもしれないが、我々として引き続き協議をお願いしたいと思っていますし、対応には誠意をもって臨みたいと思っております」と口にするのが精一杯だった。