首都高の安全・快適を支える新型「ウェーブドクター」を開発した若きエンジニアの現場拝見!
はたらくクルマで仕事をする若手の姿を見ていただく本連載、第1回は首都高速道路を駆け巡り、電気通信設備の維持管理を担当するエンジニアにスポットを当てる。 【写真】知られざる首都高の安全・快適を支えるエンジニアの仕事とは?
首都高を安全、快適に保つエンジニアの仕事
首都高技術株式会社 施設部 施設課 久保圭徳さん(29歳) 2018年4月入社 ──まず、久保さんのお仕事の内容から教えてください。 久保 首都高グループが目指す「安全・快適な首都高」を実現するため、「道路照明の明るさ」や「情報提供や料金収受設備の電波状態」が一定のサービスレベルに保たれているか測定して管理する仕事を行っています。弊社で開発したWaveDoctor(ウェーブドクター)という車両で首都高を規制せずに走行しながら全線の測定を行っています。測定は事前に計画した測定コースを走行するだけで自動的に測定を行うシステムを開発して効率的に実施しています。また、測定した大量のデータを解析して、道路照明や無線設備(電波)の機能低下を予測します。これをもとに首都高の維持管理に活用するための基礎資料を作成しています。 ──この仕事に就こうと思われたきっかけをお聞かせください。 久保 もともと父がクルマ好きで、スポーツカーを乗り継いでいました。助手席から父が運転する姿を見ているうちに私もクルマが好きになって、いつかはクルマに関わる仕事に就きたいと思うようになりました。もうひとつ、子どもの頃から『交通警察24時』というテレビのドキュメンタリー番組が大好きで、将来は高速道路を守る仕事をしたいと思っていたことも、現在の職場を選んだ理由です。 ──現在は施設課に所属なさっていますが、ほかの部署も経験されているのでしょうか。 久保 はい、入社直後は施設設計課に配属され、この7月に施設課に異動となりました。施設設計課では、電気設備を更新する工事にかかる材料費や作業員の人件費などを積み上げて算出する積算業務を担当していました。 ──いまの仕事で、達成感が得られるのはどんなときですか? 久保 ウェーブドクターで測定した大量のデータから異常箇所を発見して、大きな事故や障害になる前に補修が完了した時は「やったな」という達成感を感じます。 ──この仕事は難しいな、というのはどんなところですか。 久保 測定は首都高の本線327.2kmだけでなく400箇所を超える出入口や料金所もすべて行っています。その測定データを解析する時は、設備が設置されている道路構造や周辺環境、設備の仕様など、様々な情報を把握する必要があります。また、夜間の測定が多く事故のリスクも高いので、事故防止の啓発や安全管理の徹底など業務が多岐にわたり難しい面も多いですが、その分やりがいも多い仕事だと思います。ちなみに、私は神奈川県で育ったので東京の北部や埼玉の土地勘がなく、当初は料金所の名前を覚えるのにとても苦労しました。