【米政権交代】 農務長官にロリンズ氏を指名、トランプ次期政権の主要閣僚固まる
アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は24日、農務長官にブルック・ロリンズ氏(52)を指名した。ロリンズ氏は保守系シンクタンクのトップで、長年にわたり次期大統領を支持してきた人物。これで来年1月に発足する第2次トランプ政権の主要閣僚がすべて固まった。 トランプ次期大統領は「次期農務長官として、ブルックは我が国の真の支柱である農家を守るための取り組みの先頭に立つだろう」と声明で述べた。 ブルック氏の指名は、来年1月から行政機関を率いる候補者たちをめぐる慌ただしい、そして時には劇的な指名劇の終わりを告げることとなる。 ■ブルック・ロリンズ氏とは ロリンズ氏は親トランプ氏の右派シンクタンク「アメリカ・ファースト政策研究所」の共同設立者兼代表として長年、次期大統領を支持してきた。 第1次トランプ政権時代のホワイトハウス補佐官の1人で、ホワイトハウス米国イノベーション室のディレクターや国内政策会議のディレクター代行を務めた。 農家で育ったロリンズ氏は若いころから全国的な農業青年クラブ「4Hクラブ」やフューチャー・ファーマーズ・オブ・アメリカに参加していた。 テキサスA&M大学で農業開発学の理学士号を取得後、弁護士として働いた。 農務長官指名が上院で承認されれば、農業補助金や連邦栄養支援プログラム、食肉検査、そのほかの国内の農業・食品・林業のあらゆる面を監督することになる。 また、カナダ、メキシコとの3カ国間の貿易協定をめぐる再交渉でも重要な役割を担うことになる。トランプ次期大統領は両国からの輸入品に関税をかけるとしている。 ■主要閣僚の指名が終了 ロリンズ氏の指名をもって、トランプ次期大統領による主要閣僚15人の指名は終了する。 指名された15人は上院での承認を経て各省のトップに就任する。 次期大統領が閣僚に指名した人々は、自身の有名なスローガン「Make America Great Again(MAGA)=アメリカを再び偉大にしよう」に忠実な人物からかつての政敵まで多岐にわたる。 保健福祉長官に指名されたロバート・F・ケネディ・ジュニア氏や、当初、司法長官への起用が発表されたマット・ゲイツ前下院議員など、次期大統領による指名のいくつかは人々を驚かせた。 ケネディ・ジュニア氏は環境保護派の弁護士であり、ワクチンに懐疑的な見方を示している。今年の大統領選には無所属で出馬したが、その後撤退し、トランプ氏の支持に回った。 ゲイツ氏は2023年に下院議長選びで共和党内が分裂した際、ケヴィン・マカーシー前議長を受け入れず造反した人物。未成年との性行為や性的人身売買、薬物使用、選挙資金の不正使用、収賄などの疑いについて司法省が一時捜査した(不起訴に終わった)ほか、下院倫理委員会が調査を続けている司法長官指名に異論が噴出したため、これを辞退した。 報道によると、上院議員たちはトランプ氏によるゲイツ氏の指名を承認するのは難しいと明言していた。本人は一切の疑惑を否定しているが、自分についての論争が次期大統領の活動の「妨げ」になっているとして辞退したという。 次期大統領はすぐに、パム・ボンディ元フロリダ州司法長官を新たに司法長官に指名した。 国防長官に指名された元FOXニュース司会者のピート・ヘグセス氏もスキャンダルに直面している。警察の報告書によると、同氏は2017年に女性への性的暴行の疑いで捜査を受けていた。 本人はいかなる不正行為も行っていないとし、「合意に基づく性的接触」だったと主張している。ヘグセス氏は逮捕も起訴もされていない。 教育長官に指名されたリンダ・マクマホン氏はプロレス団体WWEの元CEOで、教育分野での経験が乏しいと批判されている。 (英語記事 Nominee for agriculture secretary completes Trump cabinet)
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