政党交付金/各党の交付額は?その使い道は?
総務省は7月19日に79億4208万円の政党交付金を各党に配分しました。今回で今年2回目の交付となり、年間総額では表のように300億円以上が各党に配分されることになります。政党交付金の総額は、直近の人口に250円を乗じた額を基準に決められ、毎年国庫から多額のお金が支出されるわけですが、換言すれば国民ひとりひとりが政党に250円を支払っているともいえます。この政党助成制度のあらましや交付金の使途をチェックしてみましょう。 ■政党交付金って? 政党交付金とは、政党助成制度に基づいて国から政党に配られる交付金で、年4回に分けて支給されます。各党への配分額は毎年1月1日時点での議員数や得票数によって算出。ただ年の途中で選挙が行われた場合には再算定され、先日の参院選の結果は10月、12月支給分に反映されることになります。 「国会議員が5人以上所属している」「国会議員が1人以上所属し、直近の衆院選もしくは前2回の参院選で得票率が2%以上」といった要件を満たした政党が助成の対象になりますが、共産党は「国民に献金を強制的にさせている」という主張のもと、政党交付金を受け取っていません。 ■選挙の結果で交付額が増減 政党交付金が導入されたのは1995年。リクルート事件やゼネコン汚職事件などを背景に、特定の企業や団体からの献金によって政治家が不正をおこなうことを防ぐ目的で導入されました。 冒頭でも述べたように政党交付金の総額は、直近の人口に250円を乗じた金額を基準に決められ、今年は年間総額で約320億円が各党に配分されます。新聞各紙の試算によると、自民党は参院選の圧勝によって、2013年当初に配分される見込みだった額より5億1100万円も交付額が増加。いっぽうで民主党は、当初の見込みよりも7億6000万円も交付額を減らしました。 各党への交付額は年初の議員数や得票数に応じて算出されますが、選挙の結果によっては、今年のように数億円単位で金額が増減することもあるのです。 ■自民・民主とも収入の大部分は交付金 政党交付金は、「政治活動の自由」を尊重するという観点に基づき使い道を制限されませんが、使途について報告書を提出する必要があります。総務省のホームページに掲載されている「政党交付金使途等報告書」をざっくり見てみると、経常経費として人件費や事務所費、光熱水費といった項目が計上され、政治活動費として選挙関係費や機関紙誌の発行事業費、宣伝事業費といった項目が挙げられています。交付額を使い切れなかった場合は、残高を繰り越すことも可能です。繰り越した基金は、国政選挙が実施される年、つまり多額の選挙費用が必要となる年の備えとなる傾向があります。 政治献金の低迷によって近年、政党本部の収入における政党交付金の割合が高くなっています。昨秋公開された「政治資金収支報告書」によると、2011年分の交付額がもっとも多かった民主党は、収入の83.2%が交付金でした。2位の自民党も72.5%が交付金と大きな収入源になっています。こういった交付金依存の高まりや国の財政難などを受け、削減・返上を求める声が年々大きくなっています。また、自分が支持していない政党にも税金が使われることに対する異論もあり、制度のあり方が問われています。 (Sherpa/編集プロダクション)