万が一アクシデントが起きたら!? 「本当にあった」に学ぶ、登山のリスクヘッジ【vol.08 救助要請編】
救助要請が必要なケースとは?
じつは、筆者は山の中で救助要請をしたことが過去に3回あります。1回目は、たまたま知人のパーティが事故を起こしたところに行き合わせて、動転している伝令役の代わりに救助要請の電話をかけました。 2回目は、引率中にメンバーが転倒し、頭を打って出血。止血処置をして様子をみたところ、足がふらつくとのことで、念のため救助を要請。 そして3回目は、恥ずかしながら自分自身が足を骨折したときです。骨折するのは初めてだったのですが、折れたことはわかったので、救助要請を即断。いずれの場合も、幸い携帯電話が通じたので、「消防署=119番」に通報しました。
119番に電話をかけたらどうなる?
119番にコールすると、電波が届いた消防署につながります(最寄りの署とは限りません)。管轄が違うところにかかってしまった場合は、転送してくれます。 まず最初に 「火事ですか? 救急ですか?」と聞かれます。 山の中でケガをし、自力で下山できないため救助してほしいことを伝えると、あとは必要なことを先方が訊ねてくれます。伝えるべきことは、事故者の状態と、現場の位置です。
「どこにいるのか」を伝える方法
山域によっては、救助要請のためのポイントを設定して、記号や番号を書いた看板が設置されているところがあります。 例えば、神戸市の背山である六甲山では、神戸市消防局が「つうほうプレート」を設置しています。この番号を伝えると、ピンポイントで位置を特定してくれます。 ちなみに、筆者はそれまで、講習中など山の中で「つうほうプレート」を見かけると、 「歩くときはこのプレートを意識して見るようにして、番号を確認しておくといいですよ」と、いつもみなさんに言っていたのですが、いざ自分がケガをしたときには、まったく見ていませんでした……。 幸い、主要な登山道上で、わかりやすい場所だったので、口頭で伝えることができたのでよかったのですが。 山域によってスタイルはいろいろですが、登山ルートが複雑で多いところは番号も複雑、少ないところでは、数字や文字だけだったりします。 地元の消防署が設置したものばかりではなく、単にルート上のめやすとして番号が書かれているところもありますが、それも役に立つと思います。登山道にこのような看板があるところでは、意識してみるようにしておくとよいと思います。