関西地区店売り薄中板市場、年度末も荷動き低調。CCなど流通の在庫調整続く
関西地区の店売り薄中板市場では年度末に差し掛かっているが、依然として荷動きはさえない。コイルセンター(CC)など流通各社は販売量見合いの仕入れを続けながら在庫調整している。ただ、販価是正の動きを見せるCCもあり、新年度からはマーケット環境に変化が出てきそうだ。 地区では中小規模の建築向けが振るわない。シャー業やプレス業は小口当用買いに終始しており、必要分の購入にとどまっている。薄板CC筋は「忙しいシャー業もあるようだが、多くのシャーやプレス業の工場稼働率は低く、CCの販売量も影響を受けて精彩を欠いている」と話す。 需給バランスを示す自販在庫率は品種間で多少の違いは見られるが、大きな変動はない。関西コイルセンター工業会と大阪鉄鋼流通協会(OSA)薄板部会が毎月まとめている流通動態調査によると、2月末時点では冷延・表面処理の自販在庫率が低下した。熱延は2カ月連続で上昇したが、自販在庫率は3カ月を切っている。鈍いマーケット環境の中でCC各社が仕入れを抑えて在庫量をコントロールしており、市中在庫の過剰感は見られない。 足元では熱延系CCが適正価格に向けた販価是正を促進しており、薄板系CCも是正に向けてアナウンスを開始している。 CC筋は「盛り上がらない需要環境下にあるが、採算面を考慮すると販価是正は必至。各社の動きを見ながら新価格帯を目指す」と語る。