あの「資さんうどん」が広島に上陸へ! 地元チェーンに受け止め聞いてみた
北九州市のソウルフードであるうどんチェーンの「資さんうどん」が12月13日、広島県尾道市高須町にオープンする。9月に広島初出店を発表すると、交流サイト(SNS)は「黒船襲来」と湧いた。広島のうどんといえば、いくつかのご当地チェーンが思い浮かぶ。それぞれどう受け止めているのだろう。 【写真9枚】各チェーン店の人気メニューや資さんうどん 尾道高須店のイメージ図 赤い看板がシンボルの「ちから」(広島市中区)を訪ねた。広島市内を中心に28店舗を構え、2025年に創業90年を迎える。小林正記社長に率直に所感を問うと「広島のうどん文化がもっと発展するといいですね」。どんと構えている。
「直接はバッティングしない」
締めにおはぎなどの甘味をいただくのが定番のちから。ぼた餅が名物の資さんとテイストが似ている。小林社長はそれでも「直接はバッティングしない」とみる。 理由は店の造りにあるという。ちからは基本的にカウンター席が多く、「さっと食べてさっと店を出る、日本の麺のファストフード」と小林社長。1店舗あたりの席数はフードコート形式の店を除くと平均約20席だ。一方で資さんは平均約80席で、家族やグループ向けのボックス席が多い。広い通路はまるでファミリーレストランだ。 同じ形態のチェーン店を思い出した。中国地方を中心に24店舗展開する「天霧」だ。全店舗に半個室があり、1店舗当たりの席数は約90席。しかし、天霧フランチャイズ(福山市)の広川長清常務は「うちはチェーンとはいえ、各店舗で特色が違う」と胸を張る。 香川県発祥の天霧は、本州での店舗拡大のため本部を広島県福山市に置き、1984年から各地域のオーナー企業によるフランチャイズ(FC)経営を展開。ピーク時には全国約50店あった。現在は直営3店を除く21店を加盟8社が運営しており、メニュー開発や材料、価格は各社に任せている。
「岡山と大分のハイブリッド」
広島県内に14店舗を構える「讃岐屋」(広島市東区)はどうだろう。資さんと同じ九州にゆかりがあるが…。 創業した先代は大分県出身だ。先に弟が岡山で修業し、地元大分で「元禄うどん」を開いた。弟の店で腕を磨いた先代は1977年、妻の故郷広島で開業した。 麺は福岡・博多の「やわ麺(柔らかい麺)」と比べて少しこしがあり、2代目の長田拓社長は「岡山と大分のハイブリッド」と表現する。資さんの広島進出について「九州の麺は結構柔らかい。広島の人に合うかなぁ」と様子を見守る。 多彩な特色を持つ広島のうどんチェーン。総務省の家計調査によると、2021~23年の広島市民の日本そば・うどんの平均年間消費額は6878円。全国平均の5903円を上回る。むすびのむさしの「元気うどん」、呉市名物「細うどん」、野球観戦の「カープうどん」…。みなさん、どのお店のうどんが好きですか?
中国新聞社