子どもの生活リズムを乱さないための3つのポイント 休校中の対策、専門家に聞く
普段できないことに挑戦 主体性を大切に
野井教授によると、学校に通うことは生活リズムを整えるほかにも脳を育て、社会性を養う役割があると言います。 例えば、友達との会話や遊びなどから生まれる、「ワクワク」「ドキドキ」するような体験は、言語や感情を司る脳の前頭葉を成長させ、判断力や協調性を養うそうです。 工夫を凝らすことによって、自宅など学校外の場所でも前頭葉を成長させることはできます。野井教授は提案します。 「せっかくの機会なので、(同じく前頭葉を成長させる)クッキー作りや読書など、普段できなかったことに取り組む時間に充てるのはいかがでしょうか。ただ、ゲームやインターネットなどは依存症の危険もあることからのめり込み過ぎないように注意が必要です。親子で話し合うなど保護者がサポートして、子どもが挑戦する目標を見つけましょう」 この時、無理に頑張る目標を立てる必要はありません。子どもの主体性が脳を育てることにつながるので、映画鑑賞、スポーツの練習、家の手伝いなど、子どもが自ら『やりたい』と思ったことに挑戦することが大切だと言います。
逆境乗り越え、成長機会に
「全国一斉休校」という異例の措置によって、心の準備ができず、戸惑っている子どももいるでしょう。日々、当たり前のように一緒にいた友だちや同級生と会えなくなり、孤独や寂しさからストレスを感じているかもしれません。 野井教授は、「ポスト・トラウマティック・グロース(非常につらい体験から人として成長することを指す心理学用語)という言葉もありますが、子どもにとって今回の休校は、ストレスを乗り越え、『たくましくなる機会』と捉えることもできます。親子で決めた約束事を守って、子どもの成長につなげてほしい」と話しています。