【阪神JF】「京都芝の杉山佳明厩舎」は複回収率238% データで導く穴馬候補3頭
「早生まれ」×「前走上がり3F34.1秒以下」が好走多数 ビップデイジー
2頭目は紫菊賞を勝った2戦2勝馬ビップデイジー。4代母にキャサリーンパー、つまり同牝系にマリアライトやダンビュライト、アロンダイト、リアファル、クリソベリル、クリソライト、オーソクレースなど数多くの活躍馬がいる良血馬。本馬は2022年2月15日に生を受けた。 2歳重賞の定番データとして「早生まれ有利」というネタがある。阪神JFにおいてもそうで、過去10年で「2月以前生まれ」【5-5-4-42】複勝率25.0%、複回収率71%、「3月以降生まれ」【5-5-6-106】複勝率13.1%、複回収率34%で確かに差が存在する。 ただ、これ単体で決め手になるほどでもない。そこでもう少し掘り下げる。「2月以前生まれ」のうち「前走上がり34.1秒以下」を満たすと【5-5-4-17】複勝率45.2%、複回収率130%と一気に好走率が高くなる。早生まれかつ前走で速い上がりを使った馬。これが狙い目だ。 該当馬は複数いるがなかでもビップデイジーに注目した。前走は全体時計1:48.8、ラスト3F11.4-11.2-11.0で自身の上がりは33.3秒。なかなかお目にかかれない秀逸な数字である。 京都芝1800mの2歳戦を上がり33.5秒以下で勝った馬は86年以降で8頭。そのうち全体時計が1分50秒を切ったものはエピファネイア(菊花賞、ジャパンC)、マカヒキ(日本ダービー)、ブラックスピネル(東京新聞杯)、そして今年のビップデイジーとマディソンガールの5頭だ。数字的には少なくとも重賞級といっていい。GⅠでもいい勝負になる可能性はある。
頼れる「杉山佳明厩舎」は京都芝で複回収率238% カワキタマナレア
ラストはカワキタマナレアを取り上げる。札幌芝1200mでデビューから2連勝し、重賞初挑戦のファンタジーSは0.1秒差の5着。さらなる距離延長でここへ臨む。 管理するのは杉山佳明厩舎。「栗東の杉山厩舎」といえばジャスティンパレスやデアリングタクトの杉山晴紀厩舎をイメージするかもしれないが、こちらの杉山佳明厩舎も馬券好きならぜひ覚えておきたい名前だ。 なぜなら、杉山佳厩舎の本年成績は【23-29-28-225】複勝率26.2%、複回収率133%。複勝ベタ買いでもプラスになっているのだ。特に京都芝では【4-4-9-26】複勝率39.5%、単回収率133%、複回収率238%と好走率も回収率も跳ね上がる。見かけたらどんどん買っていこう。 カワキタマナレアの前走ファンタジーSは不良馬場で前後半3F36.0-34.7のスローペース。自身も上がり最速34.0秒の脚は使ったが、あの日の馬場コンディションとペースからすると5着が精一杯だった。力負けではない。 戦績から距離延長を懸念されそうだが、半兄にはマイルで3勝を挙げるカワキタレブリーがおり、マイルまでは守備範囲だろう。 余談だが、そのカワキタレブリーはデイリー杯2歳Sで7頭立て7番人気3着、NHKマイルCで18番人気3着と、二度も重賞最低人気で穴を開けた。妹にも大穴演出を期待しよう。 <ライタープロフィール> 鈴木ユウヤ 東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
鈴木ユウヤ