EU、ロシア派兵関連の北朝鮮関係者らのブラックリスト登録を推進…G7は糾弾声明
欧州連合(EU)がロシアへの派兵と関連した北朝鮮高位国防関係者らを制裁リストに上げることを検討しているとブルームバーグが25日に伝えた。EU加盟27カ国の同意を得てこの案が確定するならば北朝鮮軍の派兵と関連した国際社会の初めての制裁事例となる。 ブルームバーグが入手した文書によると、欧州委員会はロシアのクルスク地域に1万1000人の北朝鮮兵を配備する過程を担当した軍部関係者を制裁リストに上げるなど対ロシア制裁追加案が盛り込まれた草案を作成した。具体的な関連リストは公開されていない。 EUはロシアのウクライナ侵攻を主権国家の領土保全を保障する国連憲章違反行為と規定して独自に制裁を科している。2月に北朝鮮の強純男(カン・スンナム)国防相(当時)と北朝鮮ミサイル総局をロシアにミサイルを支援したという理由で独自制裁リストに上げた。その後北朝鮮のロシア派兵報道が出てきた10月に追加制裁などの対応に出ると示唆していた。 この日欧州委員会が提案した制裁対象には北朝鮮関係者以外にもEUの貿易規定に違反した企業を運営する中国人、ロシアの軍事企業に禁止されているマイクロ電子部品を提供した香港企業、ウクライナに配備された攻撃用ドローンを開発するのにロシア企業を支援した一部中国企業なども含まれた。欧州委員会は50人以上の個人と30近い機関をリストに上げ、資産凍結と旅行禁止措置を科すことを提案したとブルームバーグは伝えた。 合わせてロシアが西側の制裁を回避して石油を輸出するのを防ぐため、ロシアのタンカー(影の船団)の欧州の港湾・サービスへのアクセス禁止などの追加制限措置も検討中だという。欧州がロシア産原油価格の上限を1バレル=60ドルに制限し、ロシアは所有構造が不透明な古いタンカーを利用して原油とガスなどを輸出してきた。EUは19隻のロシア船舶を制裁対象に上げた状態だ。 主要7カ国(G7)の外相もこの日からイタリアで開かれたG7外相会議で北朝鮮軍の派兵を糾弾する公式声明草案を作成し発表する予定だとブルームバーグは伝えた。草案には「北朝鮮軍の兵力配備は対立の危険な拡張を示す」として北朝鮮への核技術移転に懸念する内容が盛り込まれた。 ウクライナ戦争勃発後、ロシアに武器などを支援する中国と第三国に対しても「法律体系に合う適切な措置」を取る予定だ。北大西洋条約機構(NATO)同盟国は7月に中国をロシアのウクライナ侵攻を「決定的に可能にした」国と名指ししているが、中国はこれを否定している。 EUが追加制裁に出たロシアの「影の船団」に対してもG7の追加措置が取られる見通しだ。G7の一員である英国はこの日、陰の船団に該当するロシア船舶30隻を追加で制裁したと明らかにした。ブルームバーグはこうした措置を通じてG7が「ロシアのエネルギー、金属とその他商品の輸入に相当な圧力を加え続けるだろう」と予想した。 国際社会の相次ぐ対ロシア追加制裁にブルームバーグは「トランプ次期米大統領が1月に就任する前にロシアを支援する国を取り締まろうとしている」と評価した。トランプ氏は選挙運動期間中にウクライナ支援に対する懐疑感を表明し、ウクライナ戦争終息論に言及するなど局面転換が予想されることから、各国が足早に備えに乗り出しているみられる。