ユニスワップがプロトコルアップグレードのガバナンス延期、関係者の問題提起を受け
Uniswapがプロトコルアップグレードに関わるガバナンスを延期
大手DEX(分散型取引所)ユニスワップ(Uniswap)を監督するユニスワップ財団(Uniswap Foundation)が、日本時間6月1日に開始を予定していたガバナンス投票を延期する発表を6月1日に同団体のXにて行った。 延期されたガバナンスは、ユニスワップのガバナンストークンである「UNI」をステークし、デリゲートしたユーザーに対して報酬を与えるようプルトコルを更新するもので、今年2月に提案されたものだ。 ユニスワップ財団の投稿によると、今回ガバナンス投票が延期されたのは利害関係者(ステークホルダー)がこの提案を実装するにあたっての問題提起を行ったため、この問題に対して十分な精査を行う時間が必要になったことが原因とのことだ。 この問題について現在は詳細が公開されておらず、重要な変更があった場合にコミュニティに告知されるとのことだ。また今後のスケジュールについても確信が持てるようになった際にアナウンスが行われるとのことだ。 手数料や報酬にかかわる提案は最近行われたわけではなく、何年もの間議論が行われ導入を進める声も上がっていた。ただし米国の証券取引法に抵触する恐れがあるとして頓挫してきた。 なお今回の提案に関しても、温度感チェックで100%の賛成票を集めるなど、コミュニティでは賛成する声が圧倒的多数を占めていた。 しかし今回の提案もこの証券取引法に関わる問題を解決しているわけではなく、米国証券取引委員会(SEC)から法的な挑戦を受ける可能性があるという意見も出ており、利害関係者からの問題提起もこれに関連するという予想もされている。 今回の延期はコミュニティから悪い評価を受けており、ガバナンスプロセスが操作されており分散化の観点で問題があるという意見を述べる批判意見も見られている。なお延期の発表を受け「UNI」の価格は9%ほどの大きな下落を見せている。
田村聖次(幻冬舎 あたらしい経済)