プーチン氏「戦勝近い」年末会見でウクライナ支配拡大強調 毎日「平方キロ単位」で前進
ロシアのプーチン大統領は19日、年末記者会見をモスクワで開いた。来年2月で開始から3年を迎えるウクライナ侵略について「いつ終わるか予測は難しい」とした一方、露軍が「毎日、平方キロ単位」で支配地域を拡大していると強調。「われわれは軍事作戦の開始時に設定した課題の解決に向かっている」と主張し、「戦勝」が近づいているとの認識を示した。 【写真】ロシア軍の超音速戦略爆撃機「ツポレフ22M3」 プーチン氏はウクライナ軍の越境攻撃を受ける露西部クルスク州について、欧米製兵器の「世界最大の墓場」になっていると主張。露軍が同州を完全奪還することに「疑いはない」とした。「ロシアは交渉と妥協の準備がある」と述べた一方、本来の任期を超過しているウクライナのゼレンスキー大統領との交渉が可能になるのは、同氏が選挙で再選された場合だけだとする立場も示した。 プーチン氏は露経済の好調さも強調。今年は国内総生産(GDP)が昨年より4%増える可能性がある上、国民の実質所得も9%伸びたとした。 プーチン氏はロシアに亡命したシリアのアサド前大統領について「今後会う予定だ」と説明。ロシアがシリアに租借してきた軍事基地の扱いは新政権との協議次第だとしつつ、「人道支援」を提供するために基地を残すことを新政権に提案していると明らかにした。 一方、トランプ次期米大統領については会談する用意があるとしつつ、「いつ会うかは分からない。彼とは4年以上話していない」と述べた。 今年の年末会見は昨年に続き、プーチン氏がビデオ電話で国民の要望を聞く行事「直接対話」と組み合わせる形で行われた。(小野田雄一)