エッジまで距離のあるアプローチは8Iか9Iで転がす
今回は、エッジまでの距離が長めで、ピンまではほぼフラットという状況のアプローチについてレッスンをしましょう。 いつも言っているように、「転がせるときは転がす」というのがアプローチのセオリーですが、ツアープロのクラブ選択を見ていても、そのことがハッキリと分かります。 プロたちが第一に考えるのがパター。今回のようにエッジまでの距離があるときはパターが使えないので、その代わりに8番や9番アイアンを手にする選手が多いようです。 中途半端に上げて転がすような狙い方だと距離感がイメージしづらいので、最初から転がせるクラブで、転がしていこうというのが、上手な人の考え方。アマチュアゴルファーのように、56~60度のロフトを立てて打つという難しいテクニックを使うこともほとんどありません。 では、9番アイアンを使う場合、どのような打ち方をするのか。 パターと同じように吊って構えてストロークするというのが基本です。 クラブを短く持ち、ボールと両足ツマ先の距離も、パッティングのときと同じように近づけます。パターのときと異なるのはボールの位置で、ボールを少し右足寄りに置きます。極端に右に置く必要はありませんが、右足親指の前辺りまでならOKです。 このようにして構えると、構えがアップライトになり、ヒール側が少し浮いて、ボールはフェースのトゥ寄りに当たりやすくなります。 トゥ寄りに当たると、フェースは開くわけですが、当たった瞬間、フェースが開くのでボールが勢いよく飛び出すことはなく、思ったよりも転がってしまうことはありません。そういう点でいうと、“飛ばない安心感”があり、これが、アプローチの名手といわれる人たちがショートアイアンを多用する理由にもなっています。 また、ヒールが浮いている分、ダフりにくいというのも利点のひとつです。ダフリはヒール側が地面に当たって起きるので、構えた時点でダフリの原因を取り除いていることになります。 もちろん、距離感を合わせるためには、多少の練習は必要ですが、ダフリに強く、飛び過ぎないというのはアマチュアゴルファーにとっても大きな魅力。やってみる価値ありだと思います。 ★CS放送ゴルフネットワーク「内藤雄士のテクゴル #96」より(放送・見逃し配信中)