唐沢寿明「ボイス」は韓国版超えるか 伊勢谷友介の怪演も話題
唐沢寿明が主演するドラマ「ボイス 110緊急指令室」(日本テレビ系、土曜22時)がクライマックスを迎え、ネット上でも盛り上がっている。韓国のケーブルチャンネルOCNのヒットドラマ「ボイス」のリメイクで、韓国ではすでにシーズン3を数える人気作。妻を殺された敏腕刑事と父を殺された声紋分析官(ボイスプロファイラー)が、警察の緊急指令室を舞台に、通報の声やかすかな音を手がかりに事件を解決していく。通報から10分間で救出できるかが生死を大きく左右するタイムリミットとして、緊迫感あふれるドラマ展開となっている。
リアルで重厚な唐沢の演技
主人公の刑事・樋口彰吾を唐沢が演じ、緊急指令室を率いるボイスプロファイラー・橘ひかりを真木よう子が演じている。 唐沢は、韓国でリメイクされた「白い巨塔」の原作の主人公として韓国でも知られており、今作では逆に韓国の人気作の日本版主人公を演じている形だ。韓国ではシーズン1でチャン・ヒョクが主人公を演じた。当時チャン・ヒョクは40歳だったが、唐沢は56歳と年長になる。しかし、ルックスも含め唐沢の芝居からは年齢差を感じさせないエネルギーを感じる。情念からわき出てくるようなエネルギーだ。チャン・ヒョクは格闘シーンでスピーディーかつきれいな立ち回りを見せ、プロレスのヘッドシザーズ・ホイップに酷似した派手な技まで披露したが、唐沢が敵と対峙する場面のアクションはもっと泥臭い。逆にそのぶんリアリティーがあって、迫力自体はチャン・ヒョクに勝るとも劣らない。若い頃に特撮のスーツアクターも経験している唐沢だけに、現在でも派手な立ち回りをしようと思えばできるのだろうが、あえて重厚感を大事にしているのではないか。
真木よう子の滑舌に疑問の声も
一方、ボイスプロファイラー役は韓国ではイ・ハナが演じている。現在36歳、高い歌唱力でも知られる美貌の女優だが、日本版の真木よう子と同年齢になる。 真木の場合は、今作ではネット上で「滑舌が悪い」との感想が目立つ。確かに滑舌が悪いのは否めず、リアルタイム視聴時に何をしゃべったのかが聞き取れなかったのでネットの見逃し配信で確認してしまった、との声まで出ている。滑舌の悪さにくわえ、セリフを文節ごとに区切ったようなセリフまわしも好みが分かれるところかもしれないが、真木の、あの低いトーンの声自体は好き、という声もある。W主人公ともいえる、物語の根幹を担う重要な役柄だけに、真木の演技を受け入れられるかどうかでこのドラマを見続けるかどうかが決まってくる部分もあるように思われる。