【弥生賞】シンエンペラーの前走GⅠ組は勝ち切れず 1着候補はトロヴァトーレなど1勝クラス勝ち馬だ
意欲を買うならトロヴァトーレとファビュラススター
世代上位実績馬たちが集う今年、ここで一歩前に抜け出すのはどの馬だろうか。ここからはキャリアと前走成績から絞ってみたい。 さすがにキャリア1戦以下は【0-1-0-7】複勝率12.5%と苦戦する。好走ゾーンは2戦【3-2-2-10】勝率17.6%、複勝率41.2%から4戦【3-1-2-14】勝率15.0%、複勝率30.0%だ。やはりデビューから計画的かつ順調にここへ駒を進めてきた馬を上位にとりたい。一方で5戦以上も好走馬を送っており、経験値も大切だ。 キャリア2戦以上の前走クラスを見ると未勝利は【0-0-0-11】で、1勝目をあげたばかりだと苦しい。目立つのはオープン、重賞経由で前走GⅠは【2-5-7-6】勝率10.0%、複勝率70.0%。内訳は朝日杯FS【1-3-2-1】勝率14.3%、複勝率85.7%、ホープフルS【1-2-5-5】勝率7.7%、複勝率61.5%で、同条件のホープフルSは若干、勝ち切れない。 ホープフルS5着以内は【1-2-5-3】、2着馬【0-1-1-0】。やはり賞金面の余裕があれば、トライアルは割り切ってくる。シンエンペラーもすでに重賞勝ちがあり、ここは陣営にとって課題克服の場だろう。 次にシュバルツクーゲルの前走東京スポーツ杯2歳Sは【1-1-0-0】で連を外していない。だが、この2頭はいずれも前走を勝っていた。2着だったシュバルツクーゲルはクリアできるだろうか。重賞でいえば、同条件の前走京成杯は【0-0-1-9】と冴えない。やはりレースレベルの違いが課題になる。 前走オープン・リステッド【2-0-1-7】勝率20.0%、複勝率30.0%は前走若駒Sが【2-0-1-4】勝率28.6%、複勝率42.9%と有力。勝ち馬は【2-0-0-1】で、弥生賞を勝ち切るならサンライズジパングではないか。 なお、ダノンエアズロックの前走アイビーSはデータなし。だが、2歳重賞やGⅠに目もくれず、間隔をとったゆとりあるローテーションを組むのはいかにも堀厩舎らしい。しっかり勝ち切って、ダービーまで見通したいところだ。 最後に格下の前走1勝クラス【2-2-0-24】勝率7.1%、複勝率14.3%は前走2000m【2-0-0-9】勝率、複勝率18.2%が中心になる。特に前走1着だと【2-0-0-4】。当てはまるのは2戦2勝のトロヴァトーレ、ファビュラススター。どちらもクラシック出走に向け、ここは全力投球。意欲を買うのも面白い。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬中心の文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳