アンガールズ・田中卓志「ビビる大木さんがくれた新選組の法被で自転車に乗っていたら職務質問されて。全力で走る自分に警察官が叫んだまさかの一言とは」
お笑い芸人のアンガールズ・田中卓志さんが初エッセイ集『ちょっと不運なほうが生活は楽しい』を著しました。今年で芸歴23年、今までの人生を振り返った内容は、思わず笑ってしまう話から胸を打たれる出来事まで悲喜こもごも。今回は、ビビる大木さんとのエピソードについて綴った「待て! そこの新選組!!」をご紹介します。芸歴1年目の頃、ほぼ大木さんと共に時間を過ごしたそうで――。 【写真】脚が長いと話題に!?赤ニットを着こなす田中さん * * * * * * * ◆急に決まった京都旅行 それからしばらくして、大木さんから「今日と明日空いてる?」とメールが入った。 詳しく聞くと、今夜から京都に旅行するんだけど、車で行くから、ドライバーをやって欲しいとのこと。 僕は、京都に行くなんて小学生の修学旅行以来なので、喜んでオッケーしたものの、出発が深夜0時。またもや睡魔との闘いだった。 何でいつも大木さんは真夜中に行動するのだろうと思ったけれど、テレビに出ている人は忙しいから、こうやって僅かな隙間を縫って旅をして、自分の引き出しを増やしていくしかないのだと、今ならわかる。 0時に集合して高速道路で5時間。京都に到着すると流石に大木さんもクタクタで、朝5時に少しでも安いところと、ラブホテルに泊まった。と言っても寝たのはたったの2時間だけ。
◆新選組の法被を見つけて 体はボロボロの状態で旅行再開。 大木さんは幕末の歴史が好きなので、坂本龍馬ゆかりの地を旅して回った。 寺田屋や、池田屋の跡地、新選組の隊士のお墓。そんな中で大木さんはあるものを見つけた。 「おい田中、新選組の法被があるぞ、5500円もするのか」と悩み始めた末に、 「もしこれを着て京都を歩いてくれるなら、買ってあげる」と言われた。 女の子が旅行中だけ浴衣を着ているのとは訳が違う。法被の後ろに大きく「誠」と書かれていて、これを着て歩いている外国人の観光客すら見たことがない。 でも、旅行代を全部出してもらっている僕が出来ることは、この期待に応えることくらいしかないので、僕は考えるのをやめて「欲しいです!!」と叫んだ。