アップル、中国で3位に転落-1~3月のiPhone販売台数19%減
(ブルームバーグ): アップルのスマートフォン「iPhone」の中国での販売台数が1-3月(第1四半期)に前年同期比19%減少した。新型コロナウイルスの感染が広がった2020年初頭以降で最悪の落ち込みとなった。
カウンターポイント・リサーチの推計によると、アップルは中国での販売台数で3位に転落し、急成長する同業の華為技術(ファーウェイ)とほぼ並んだ。
栄耀終端や小米などの中国ブランドが成長をけん引し、市場全体は約1.5%拡大した。
中国が春節(旧正月)を迎える第1四半期は伝統的に消費意欲が高まる時期であるため、iPhoneの低迷は際立つ。対照的にファーウェイの販売台数は70%近く伸び、かつてアップルが独占していた高価格セグメントでの復活を鮮明にした。
IDCは先にiPhoneの1-3月世界出荷台数が前年同期比で10%近く減少したとのデータを発表しており、5月2日に決算を発表するアップルの成長持続について懸念が高まっている。
中国は依然としてアップルにとって最大級の市場の一つだが、中国政府が国有企業や政府機関での海外メーカー製端末の利用禁止を強化したことで、中国での事業は厳しさを増している。また、ファーウェイが米国の制裁に対抗して国産半導体搭載の端末を発表したことで、同国の消費者はファーウェイの復権を歓迎している。
中国のiPhone使用禁止が拡大、国有企業や政府機関で-関係者
カウンターポイントのデータは1-3月についての全体像をはじめて明らかにした。先月には年初の6週間で中国でのiPhone販売が前年同期比で約24%減少したとの概算を発表していた。
アップルは最新機種の販売を支えるため、中国で1月として異例の値引きに踏み切った。同国での販売パートナーである業者も、通常価格から最大180ドルの値引きをしている。
カウンターポイントのシニアアナリスト、イワン・ラム氏は「ファーウェイの復活が高価格セグメントでアップルに直接影響を与えたため、アップルの販売は1ー3月に低迷した」と説明。「また、アップル製品の買い替え需要は、以前と比較してやや低調だ」と付け加えた。