6月の米利下げ確率、一時50%割れ-ISM製造業が予想以上の強さ
(ブルームバーグ): 債券トレーダーは今年の米利下げ予想を後退させ、金利スワップ市場では6月の利下げ開始確率が一時50%を下回った。米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業総合景況指数が、2022年9月以来の活動拡大を示したことが影響した。
米ISM製造業総合指数、2022年9月以来の拡大圏-予想上回る (2)
金利スワップ市場では、年内の米利下げ幅の織り込みが65ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満となった。これは米金融当局自身の見通しよりも少ない。ISM製造業指数はブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の全てを上回る強い数字だった。米国債相場も下落し、利回りは全ての年限で少なくとも10bp上昇した。
米国債はISM製造業指数の発表前から売られていた。先週29日のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言や経済統計を基に、市場では米金融政策の見通しを再検討する動きが広がっていた。
アメリベット・セキュリティーズの米金利トレーディング・戦略責任者、グレゴリー・ファラネロ氏はISM製造業指数について、堅調な景気を背景に米当局は「忍耐強く」いられるという「先週広がったシナリオを補強した」と指摘。債券市場にとって、それは政策金利が「より高水準に、より長期に」維持されることを意味すると述べた。
米国の高格付け社債市場では1-3月(第1四半期)に、第1四半期として過去最大規模の起債が行われたが、4月1日にもまた複数の起債が予定されている。これも米国債への圧力になっている。
原題:June Rate-Cut Odds Dip Below 50% as Strong ISM Data Sinks In(抜粋)
--取材協力:Edward Bolingbroke.
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Michael Mackenzie