日本からは小野寺吟雲が準優勝「オリンピック予選シリーズ(OQS)」上海大会 男子スケートボードストリート種目
大会結果
優勝 : ジャガー・イートン (アメリカ合衆国) / 278.28pt 2位 : 小野寺 吟雲 (日本) / 277.34pt 3位 : クリス・ジョスリン (アメリカ合衆国) / 275.34pt 4位 : 佐々木 音憧 (日本) / 271.46pt 5位 : ナイジャ・ヒューストン (アメリカ合衆国) / 239.07pt 6位 : グスタボ・リベイロ (ポルトガル) / 182.00pt 7位 : ジオバンニ・ヴィアンナ (ブラジル) / 177.39pt 8位 : 根附 海龍 (日本) / 174.77pt
最後に
今大会非常に印象的だったのが終始メイク率、トリックのクオリティも高かった日本の小野寺だ。ラン、トリック、両セクション非常に高い評価を得られ、1度のミスでも大崩れしないメンタルの強化もうかがえた。 もう一人は佐々木の名前も挙げておきたい。ドバイ大会では悔しい結果だったが、今大会は全体を通して非常に良いパフォーマンスだった。持ち技も十分に表彰台圏内を狙えるレンジのスコアトリックであり次のブタベスト大会に非常に期待が持てる。一方で前大会王者の根附はスコアメイクに苦しんでいたように感じた。 OQS上海大会で最も注目だったのはアメリカ勢。ランでスコアが伸ばせないながらもしっかりと5位でフィニッシュしたのがナイジャ・ヒューストン。 そして、冒頭でも挙げた熾烈なパリオリンピック出場権争いを繰り広げている中、今大会で一気にジャンプアップした3位のクリス・ジョスリンだ。これにより一気に世界ランキングも8位まであげ、アメリカ内でも3番手となり出場権獲得圏内まで上げてきた。 上海大会で旋風を巻き起こしているのがパークスタイルでもファイナリストに残っているジャガー・イートンだ。何度もお伝えしている通り、二刀流でのパリオリンピック出場を目指しておりここまで世界ランキング12位と出場圏内ではあったがそのポイント差は非常に僅差だった。 今大会でもパークとの両立から非常に過酷なスケジュールを予選からこなし、決勝まで勝ち上がった。さらにはその強靭なフィジカルでパフォーマンスも落とすことなく、今大会でも見事ストリートで世界チャンピオンとなった。 その過酷さと思いからか表彰式では涙を見せたが、その姿が筆者には非常に印象的だった。これにより世界ランキングも一気にナイジャを抜いて2位に浮上、ストリート、パークの二刀流でのパリオリンピック出場に大きく前進した。 そして日本勢のパリオリンピック出場権争いも非常に混戦となった。 今大会2位となった小野寺が世界ランキング1位に浮上し非常に優位なポジションに。続いたのが世界ランキングを5位をキープもポイント差で日本人2番手に上がった根附、まさかの準決勝敗退でポイントを伸ばせなかった白井が6位の3番手、今大会で決勝に残り大幅にポイントを獲得した佐々木が7位に上がった。 根附と白井が9986ポイント差、白井と佐々木が600ポイント差、根附と佐々木の差が10,586ポイントと、このフェーズ2では1つの順位でひっくり返る可能性のあるポイント差となっている。日本人トップの小野寺と2番手根附の差が98,850ポイントと小野寺が最終戦を前に非常に有利なポジションだ。 前回のオリンピック王者で今大会まさかの予選落ちとなった堀米雄斗は130,110ポイントと出場権内の白井まで95,017ポイント、青木が97,716ポイントで白井まで127,411ポイント差と非常に難しいポイント差ではあるが逆転の可能性を残し最終戦であるブダベスト大会へ進む。 このままでは終われないオリンピックディフェンディングチャンピオンの堀米がどこまで最終戦に修正を加えてくるか。今大会で逆転を許した白井もこのまま黙って終わるとは思えない。非常に有利な位置につけた小野寺はこのままキープできるか。はたまた好調な根附、佐々木の巻き返しなるか。 アメリカをはじめ、日本以外の各国の出場権争いからも目が離せない展開。 混戦のまま迎える最終ブダベスト大会は言うまでもないが、要注目だ。