秋が旬の激レアタケノコを知ってるかい? 高知特産“四方竹”の栄養と食べ方を栄養士ライターが解説
秋に旬を迎えるタケノコがある!?
タケノコと言えば春の風物詩ですが、秋に旬を迎えるレアなタケノコがあるのをご存知でしょうか? その名も「四方竹(しほうちく)」です。高知県が名産地として知られ、現在は全国に出回るようになりましたが、関東など東日本では、まだまだ珍しいタケノコと言えるかも知れません。アク抜きをした水煮の状態で売られていることが多く、やわらかでコリっとした心地の良い食感が特徴。意外なほど簡単に調理できて、お肉との相性がばっちりです。おすすめレシピを紹介しますので、この秋、四方竹に出会ったら試してみてください。 【画像】あなたはいくつ知ってるか?? 食べてみたい“新顔野菜”ランキング!(11枚)
「四方竹」ってなに? 名前の由来は?
四方竹は、一般的な春のタケノコとして知られる孟宗竹(もうそうちく)」よりも小型で細め。切り口が四角形をしていることが、名前の由来です。秋の山菜として珍重され、かつては鮮度を保つことが難しく産地以外にほとんど出回らない幻のタケノコだったそう。現在は加工技術と流通が発達し、新鮮なうちに下処理をした水煮が各地へ出回るようになりました。とはいえ、出会えるのは10月下旬から11月のわずかな期間。とてもレア度の高いタケノコです。
四方竹の栄養について
四方竹をはじめとするタケノコの栄養ポイントは、独特の食感のもとにもなっている不溶性食物繊維のセルロースが豊富であること。不溶性食物繊維には、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便秘予防やコレステロールを体外へ排出する働きがあります。ミネラルであるカリウムの豊富さもタケノコの特徴で、うま味の成分のグルタミン酸やアスパラギン酸も含まれています。
四方竹はお肉との相性がばっちり!
四方竹の食感を楽しむには、炒め物がおすすめ。お肉や油揚げとの相性が良く、ごま油・砂糖・酒・濃口しょうゆで甘辛く炒め煮すると、ごはんやお酒が進む一品になります。参考までに、四方竹×牛肉こま切れのレシピをご紹介します。四方竹を切り、お肉と炒めて調味するだけのスピードメニューで、お弁当のおかずにもおすすめ。お肉は豚肉や鶏肉でも代用可能です。 【四方竹と牛肉の炒め煮(2~3人分・調理時間10分)】 <材料> ・四方竹の水煮:6~8本程度(約150g) ・牛肉こま切れ:150g ・ごま油(サラダ油も可):小さじ1 ・酒:大さじ2 ・砂糖:大さじ1 ・濃口しょうゆ:大さじ1 ・和風顆粒だし:小さじ1/2 <作り方> (1)四方竹を斜め切りにする。 (2)フライパンに油を入れて中火で熱し、牛肉こま切れを炒め、肉の色が変わったら(少し赤みが残ってもOK)、(1 )の四方竹を加えて油がなじむまで炒める。 (3)調味料を酒→砂糖→濃口しょうゆ→和風顆粒だしの順に加え、煮立ったらフタをして弱火で2~3分煮込み、フタを取って汁気が少し残る程度まで煮詰めたら完成!(そのまま冷めるまで置いておくと煮汁が肉と四方竹になじんで少なくなります)
まとめ
炒め煮のほかにも、青椒肉絲(チンジャオロースー)、秋が旬のきのこや鮭を加えた炊き込みごはん、筑前煮、豚汁の具など、料理バリエーションは意外に多彩です。四方竹そのものは比較的、淡白な味わいなのでコクのあるお肉と組み合わせた濃いめの味付けが向いているように感じました。食欲の秋に楽しめるレアな四方竹。野菜売り場で見かけたら、手に取ってみてください!
野村ゆき