“妻殺害”で有罪判決の講談社元次長が2度目の上告 義父が心境初激白「私は朴君を一度も疑ったことはない」
2016年に妻(当時38)を殺害したとして殺人の罪に問われている、講談社の漫画誌「モーニング」元編集次長(現在は退職)・朴鐘顕(パク・チョンヒョン)被告(49)の弁護人が17日、最高裁に「(東京高裁の判決は)差し戻した最高裁判決に違反するものであり、重大な事実の誤認がある」とする上告趣意書を提出した。17年1月の逮捕直後から一貫して無実を訴えてきた朴被告。今回、父への思いを語る4人の子どもらとともに、亡くなった妻の実父が初めてメディア取材に応じ、「8年間、(朴被告の)無実を信じてきた」と語った。 【写真】朴被告の妻が亡くなっていた自宅階段。突き落とされたのか、自殺したのか… * * * 「本当はマスコミなんて嫌いなんだけど……」 朴被告の妻・佳菜子さんの父であるSさん(92)は、こう切り出した。 朴被告は人気漫画『GTO』を手掛けるなど、敏腕編集者として知られ、逮捕時は大きなニュースとして報じられた。そのため、自宅に押しかけた多くの報道陣によって生活が脅かされたSさんは、取材拒否の姿勢を貫いてきた。 今回取材に応じたのは、これまでの裁判の“おかしさ”を世に訴えたいという切迫した思いがあったからだという。 ■差し戻し審は有罪判決を支持 裁判は、一審・東京地裁、二審・東京高裁といずれも懲役11年の実刑判決が下っている。最高裁は「審理が十分に尽くされていない」と高裁へ差し戻したが、今年7月の差し戻し審は一審判決を支持した。 佳菜子さんの死因は窒息死だった。検察側は、深夜に仕事から帰宅した朴被告が、佳菜子さんとトラブルになったことで突発的に殺意を抱き、寝室で首を圧迫して窒息させ、事故死に見せかけるために階段から突き落としたと主張。 一方、弁護側は、当時産後うつを患っていた佳菜子さんが、錯乱状態に陥った末に自殺したと主張している。佳菜子さんは包丁を手に当時0歳の末っ子に危害を加えようとしたため、朴被告は制止しようと1階の寝室でもみあいになった後、末っ子を抱いて2階の子ども部屋に避難。その間に佳菜子さんは階段の手すりで首をつっていたとしている。