DPワールドツアー「ドバイ招待」で優勝したトミー・フリートウッドのスウィングをAIで分析
続いてインパクトを見てみましょう。フリートウッドと言えば、「インパクトでの右側屈が多い」のが特徴ですが、その「胸の側屈角度」を示す「CHEST SIDE BEND」は38.3°右です。これはスポーツボックスAIのPGAのツアーレンジ(25.3°~37.3°右)と比べてもやはり多めのデータになっています。この右側屈が入ることで、インパクトでも前傾角度を保つことが出来ます。 インパクトでの右側屈角度の目安は、アドレスの胸の前屈に近い角度です。フリートウッドはアドレスでの胸の前屈が40.7°と深めですので、インパクトの胸の右側屈も自然と深くなります。 この右側屈に関連する、もう1つのチェックポイントがあります。それは「胸と骨盤の左右移動量の差」です。胸の左右移動量(アドレスを0とする)を表す「CHEST SWAY」は‐1.8cm右、骨盤の左右移動量を表す「PELVIS SWAY」は14.8㎝左と、その差は約16.6㎝あります。これは「上半身はその場で回転して下半身は左に移動することで、結果として胸の右サイドベンドが多くなっている」とも言えます。この右側屈を生み出す「胸と骨盤の移動の左右差」が出来ると、クラブのアタックアングルはアッパーに入りやすくなりますので、効率良いドライバーショットが打てます。
最後にフォロースルーを見てみましょう。フォロースルーでは、右肘の屈曲角度「TRAIL ELBOW FLEXION」に注目します。フォロースルーでの右肘の角度は164.5°と長く伸びているのに対して、先ほどのインパクトでの右肘の角度は148.6°です。このデータの比較から分かるのは、「右肘はインパクト後に伸ばされる」ということです。 もし右肘が早めに伸びてクラブのリリースが早くなってしまうと、前傾角度を深く保つとボールの手前をダフリますので、それを防ぐ為に前傾が起き上がってしまうのですが、フリートウッドはインパクトまで右肘が曲がったまま、フォロースルーで伸ばされるので前傾角度と右側屈を深く保つことが出来るのです。この右肘のリリースのタイミングも前傾角度を保つ秘訣と言えますね。 今回は、トミー・フリートウッドのドライバースウィングを分析させて頂きました。昨年はライダーカップでもヨーロッパチームの勝利に貢献して、今季早くも1勝目を挙げたフリートウッド。彼のメジャー初優勝はあるのか? 今年のフリートウッドに要注目ですね!
みんなのゴルフダイジェスト