日本唯一!? 放牧地に宿泊&トレッキング/障害GⅠ馬2頭と触れ合い【九州うま旅(10)霧島編〈下〉】
見学、観察だけではなく、文字通り馬と触れあうことができるのが乗馬施設。連載最後となる今回は、激レア体験必至の2カ所を紹介する。
馬の放牧地を駆ける―霧島アート牧場
まずは前回紹介したホーストラストに併設されている霧島アート牧場。最大の特徴はホーストラストの放牧地の中をトレッキング(外乗)できること。おとなしい乗用馬がおり、騎乗者のレベルに合わせた馬が用意されるので小学3年生以上なら初めての乗馬でも大丈夫とのこと。上級者にとっても、馬に見られながら乗るのは新鮮だろう。 もう一つ放牧地でできる貴重な体験がある。それはなんと宿泊。犬などのペットと泊まれるコテージPOSY(ポジー)は、ホーストラストの馬たちが暮らす中に立っている。放牧エリアと区切るものがなく、建物にまで馬が寄ってこられるため、馬の足音で目が覚めることもしばしばだとか。冬期にはまきストーブで暖を取ることもでき、霧島の四季を満喫するのにももってこいの施設だ。
障害GⅠ馬2頭と触れ合い―霧島高原乗馬クラブ
続いては霧島高原乗馬クラブをご紹介。場内の記念碑によれば、1896(明治29)年開場の農商務省管轄・九州種馬牧場を起源とする牧園牧場の跡地という馬産にゆかりの深い施設で、JRA最高峰の障害レースである中山大障害(J・GⅠ)を制したニホンピロバロン、レッドキングダムの2頭が繋養されている。
両馬の見学は厩舎の外窓から可能。鼻面を触ったり、ニンジンをあげたりもできる。クラブには直接訪問してよいが、まずは事務所に立ち寄りを。 また乗馬については、この2頭に騎乗することはできないものの元競走馬のサラブレッドが供用されているとのことだ。
当地は中央競馬の四位洋文調教師の地元。小学2年生の頃から学校に行く途中で馬を見に寄ったり、学校が終わると餌作りを手伝うなどの世話や乗馬の練習をしたりしていたそうだ。 事務所内には騎手時代に日本ダービーを制した時の写真など、四位師関連のグッズが所狭しと展示されており、2頭の見学に併せて鑑賞することができる。