農村活性化、提案に熱気 地元中学生から大人まで 三重・多気の勢和中で
東海農政局などがRMO推進フォーラム
農林水産省東海農政局など主催の本年度の農村RMO推進フォーラムが5日午前10時15分から、三重県多気郡多気町片野の町立勢和中学校体育館などであり、勢和農村RMO協議会(中西眞喜子代会長)の事例発表などを通して学びを深めた。 農村RMOは農村型地域運営組織で、人口減などにより弱体化する集落機能を保全する協議会組織のこと。勢和地域では2022(令和4)年度から一般社団法人ふるさと屋を事務局として活動し、農地の保全や住民の生活支援、地域を活性化させるための仕組みづくりに取り組んでいる。 フォーラムはRMOの取り組みを進めるため、情報提供と知見の向上を図ることなどを目的に、22年度から年に1回、農政局管内で実施しており、県内で初めて行われた。 この日、会場には地域住民や関係者など県内外から52人、オンラインでも約100人が参加した。 第1部では、勢和RMOにボランティアで多数の学生が参加している三重大学大学院生物資源学研究科の岡島賢治教授が基調講演「三重大学からみた勢和」を行い、教育フィールドとしての勢和地区や実際に学生が行ったボランティア活動などについて解説した。 勢和RMOの事例発表では、ワークショップを通じて現在進めているプロジェクトが決まっていったことなどを紹介。その後、勢和中2年生44人を交えて、4、5人でグループをつくり、実際にワークショップを行った。 まず「子供たちに選ばれる地域とはどんな地域か」の題で話し合うと、「遊べる所がある」「思い出に残る」「日本一給料が高い」「野球の町にしたい」など、さまざまな意見が飛び交い、机にした円形の段ボールにそれぞれの考えを書き込んだ。二つ目の題「そのためにできることは何だろう」では、「中学生が起業家となり、大きな会社をつくる」「子供が学べる環境をサポートする」「プロ野球選手になって活躍する。そのために体を鍛える」「子供たちが鍛えられるようにおいしい野菜を作って農業振興をしていく」などとさらに深掘りしながら「今、できること」に落とし込んでいった。 以前、勢和RMOのイベントに参加した縁で伊勢市から訪れた森井美枝さん(44)は「取り組みが地域ですごく考えられていて、中学生もこういった場に参加している。とても良い取り組みですね」と話した。 中西会長(76)は「中学生と、いろんな所から来てくださった大人と、皆さんが一堂に会して同じテーマで話し合う。考えを共有できてよかった。この熱気を逃がさないようにサポートしていきたい」と話した。 午後の第2部では丹生のふるさと屋での現地視察も行われた。