夫からDV、公園に大型犬…身近な困り事に奮闘する「行政相談委員」 認知度の伸び悩み課題
行政相談委員
総務大臣が行政相談委員法に基づき委嘱する。各市区町村に1人以上が配置され、現在は全国で約5千人。行政などへの苦情や意見、要望を受け、相談者に助言したり、関係行政機関に通知したりするなどして問題の解決を促す。総務省によると、元自治体職員や警察出身者、行政書士や弁護士などの「士業」に携わる人が就く場合が多い。
認知度1割 伸び悩み
悩める住民のよりどころとなる行政相談委員の制度だが、存在を知っている人は全国調査で1割程度にとどまり、認知度の伸び悩みが課題となっている。 行政相談は全国約5千人の相談委員のほか、全国50カ所にある総務省の相談センターでも受け付けている。2023年度の相談は全国で13万5574件。新型コロナウイルス禍の時期から上向いたが、コロナ禍前の19年度よりは約2万8千件減った。九州は1万4千件程度で推移している。 内閣府が21年に行った全国の世論調査では、制度について「知っていた」割合は13・8%と低調で、「知らなかった」は85・4%に上った。総務省は制度周知のため10月に1週間設けていた強化期間を、本年度から9、10月の2カ月に拡大。同省九州管区行政評価局でも、商業施設に相談所を設けるほか、地域イベントへのPR出展を増やすなど対策を講じている。 同局の行政相談課は「相談を受けていろいろな困り事が改善している実績をしっかりと伝えることで、制度への理解を深めていきたい」とした。 問い合わせは同課=092(431)7082。