メルセデス・ベンツ次期「CLA」がEV走行の新記録樹立 ポルシェを凌駕、24時間で3700km走破
次期CLAは来年導入、ハイブリッドも登場
メルセデス・ベンツは次期CLAの充電性能をまだ明らかにしていないが、250kW前後での充電が可能で、さらに50kWのブースト機能によって短時間であれば300kWに達することができると以前示唆している。これにより、わずか15分で400kmの走行が可能になる。 リチウムイオンバッテリーのエネルギー容量も未公表だが、89.6kWhと言われている。これにより、平均消費電力は約8.3km/kWh、航続距離は最長750kmとなり、量産EVの中でトップクラスの効率性と航続距離を実現するという。 市販バージョンでは、より安価なオプションとして、エネルギー密度の低いリン酸リチウムイオンバッテリーも用意される見込みだ。 今回の記録挑戦で使用されたCLAは、リアに1基の同期電動モーターと2速トランスミッションを搭載した後輪駆動モデルである。ここでも技術的な詳細はまだ明らかにされていないが、標準車で最高出力205ps、AMGブランドのツインモーター四輪駆動モデルでは合計出力545psのドライブトレインを開発中とされている。 CLAは「エレクトリック・ファースト」モデルとして開発されたものの、マイルドハイブリッドの2.0L 4気筒ターボガソリンエンジンの販売も予定している。 メルセデス・ベンツが開発した新しい4気筒エンジンは、中国の自動車メーカー吉利汽車とフランスのルノーが共同で運営するホース・パワートレイン社によって、中国工場で生産される。リークされた仕様によると、エンジンは社内コードネームで「M252」と呼ばれ、開発初期段階で最高出力252ps、最大トルク36.8kg-mを発生するようだ。 メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウス最高経営責任者(CEO)は次のように述べた。 「CLAによって、メルセデス・ベンツは新時代を迎える。このセグメントにおいて、お客様がメルセデスに期待するあらゆる側面を大幅に向上させる」 「モジュラープラットフォームにより最大限の柔軟性を確保する。CLAでは、最先端の電動ドライブトレイン仕様と、ハイブリッド化されたエンジン仕様の両方を提供することができる」 「また、当社のオペレーティング・システムであるMB.OSによって、これまでで最もインテリジェントなクルマとなる」 第3世代CLAは来年公開される予定で、欧州での販売は2025年末までに開始される。当初はEVのみで、約6か月後にハイブリッド車が追加される予定だ。
グレッグ・ケーブル(執筆) 林汰久也(翻訳)