上位指名も? 近年「甲子園を沸かせたスター」たち その後“ドラフト候補”に成長しているのは
2022年夏の甲子園では下関国際が準優勝を果たして話題となったが、この時に大車輪の活躍を見せた仲井慎(駒沢大新2年・投手)も楽しみな存在だ。高校ではショート兼ピッチャーで、大学でも入学当初は内野手登録だったものの、今年は投手に専念。この秋からはエース格となり、8試合に登板して2勝1敗、防御率1.47という見事な成績を残した。躍動感抜群のフォームでストレートは150キロを超えることも珍しくなく、打者の手元で浮き上がるような勢いがある。高校時代からの武器だったスライダーも一級品で、投球術の面でも確実にレベルアップしている印象だ。チームは今年春に東都二部降格となったが、来年は一部復帰を目指すうえでの最大のキーマンとなることは間違いないだろう。 冒頭でも触れたように甲子園でのプレーがそのままドラフトでの評価に直結するわけではないが、大舞台での活躍を良いきっかけとして飛躍する選手は少なくない。それだけに、今後の甲子園大会からも、今回名前を挙げた選手のようにドラフト候補へと浮上してくる選手が出てくることを期待したい。(文・西尾典文) 西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
西尾典文