上位指名も? 近年「甲子園を沸かせたスター」たち その後“ドラフト候補”に成長しているのは
中西は昨年までは常広羽也斗(広島)や下村海翔(阪神)がいたこともあって登板機会は少なかったが、今年は春から投手陣の一角に定着。秋は6勝0敗で最優秀投手とベストナインに輝くと、続く明治神宮大会でも見事なピッチングでチームを優勝に導き、大学四冠にも大きく貢献したのだ。下半身の強い安定したフォームで高い制球力を誇り、高校時代よりも体が大きくなったことでストレートの勢いも確実にアップしたように見える。変化球も決め球のフォークはブレーキ十分で、多彩な球種を操る器用さも長所だ。この秋のような投球を来年も見せることができれば、上位指名の可能性もあるだろう。 渡部は入学直後から正捕手に定着すると、ここまで1年春、2年春、秋と3度のベストナインを受賞。この秋はMVPにも輝き、ここまで大学での4シーズンで3度の日本一に輝いている。守備では地肩の強さもあるが、それ以上に捕球から送球までの流れのスムーズさが抜群。打撃でも甘いボールはスタンドまで運ぶ長打力が魅力だ。時折キャッチングが雑になって捕球ミスすることがあるのは課題だが、キャッチャーとしての総合力は小島と並んで大学球界でも双璧と言える存在である。順調にいけば2026年ドラフトの主役の1人となりそうだ。 2022年のセンバツでは大阪桐蔭が圧倒的な強さで優勝を果たしたが、その時のエースだった川原嗣貴(Honda鈴鹿・投手)も来年の候補として名前が挙がっている1人だ。高校の時もプロ志望届を提出しながら指名はなく、社会人のHonda鈴鹿に入社。2年目の今年は春先から先発として結果を残すと、本大会出場こそ逃したものの都市対抗予選でも4試合に登板するなど多くの経験を積んだ。 190cm近い長身で長いリーチを生かした腕の振りから投げ込むストレートはコンスタントに145キロを超える。フォームのバランスも良く、あらゆる変化球でしっかり腕が振れるのも持ち味だ。来年は高校卒3年目でドラフト指名解禁の年となるが、貴重な社会人の若手投手としてリストアップしてくる球団も多くなりそうだ。