センバツ2024 1回戦 大阪桐蔭、手堅く春1勝 打者一巡猛攻、北海降す /大阪
兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれている第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)第5日の22日、大阪桐蔭は1回戦で北海(北海道)と対戦した。序盤に流れをつかんだ大阪桐蔭が7―1で快勝。甲子園での対戦は初めての相手から白星をつかんだ。2回戦は第8日の第2試合(25日午前11時半開始予定)で神村学園(鹿児島)に挑む。【小坂春乃、野原寛史】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 一塁側アルプススタンドは学校関係者約1600人が身に着けたジャケットや帽子で真っ白に染まった。先発はエース、平嶋桂知(かいち)(3年)。試合開始を告げるサイレンを聞き「ここで投げるためにやってきた。チームを勢いづけ相手を圧倒する投球をしよう」と誓った。 三回まで打者10人を切り取った平嶋を援護しようと打線も奮起する。吹奏楽部が奏でる「勝手にシンドバッド」に合わせ、スタンドで響く「今だ打て!」の声が届いたのか。三回先頭の境亮陽(りょうや)(同)が右前打で塁に出ると、打者一巡の猛攻で4点を奪取。試合を決めた。 守備でも五回、俊足の中堅手、吉田翔輝(同)のダイビングキャッチに外野から「ナイス」の声がかかるなど観客は沸き立った。野球部で応援団長を任された清本怜努(れおと)さん(同)は「吉田の持ち味を生かしたナイスプレーだ」と喜んだ。 主戦は140キロ後半の直球を軸に7回を7奪三振、1失点でまとめ「力んでしまうこともあったが、良い投球ができた」と手応えを口にした。2年ぶりの春の頂点を目指す旅が始まった。 ……………………………………………………………………………………………………… ■熱球 ◇先制打、得点の呼び水に 岡江伸英内野手(3年) 三回裏、2死満塁。体づくりにいそしみ、ひたすらバットを振り込んだ冬の自分を信じて打席に立つ。「みんなのために、やってやろう」。4球目、低めの変化球をバットの先で捉えた。ふわりと宙に浮いた打球に「落ちてくれ」と願うと、走者2人を還す先制の左前打となった。 秋の近畿地区大会までの背番号は2桁。悔しい気持ちを忘れずに練習を続け、明治神宮大会から「3」を背負うことになった。「やっと試合に出られるところまで来た。あとはチームのことをもっと考えて結果を出そう」と決めた。打ち損じを減らそうと体幹やウエートトレーニングに励んだ。 自分の一振りがこの回の大量得点の呼び水となりほっとした。ただその後ヒットは出ず「バットを振っても、仕留めることができなかった。次の課題にしたい」と大会中も技術を磨き続けるつもりだ。【小坂春乃】