大阪のサル年を振り返る「サル理由」で騒がしい1年に?
1956年(昭和31)なにわのシンボル通天閣が復活
1月10日、大阪府警がニセ1000円札偽造団を逮捕し、印刷機や銅版などを押収。同15日、美空ひばりの公演に殺到したファンが大劇前で混乱し、1名が死亡し、重軽傷者9人を出す惨事になった。 同月16日、自由、民主両党支部が大阪市中央公会堂で、「自民党府支部連合会」の結成会を開いた。いわゆる保守合同で、現在に至る自由民主党の基盤が構築された。 4月28日、大阪で初の「働く婦人のためのファッションショー」が、心斎橋そごうで開催された。8月7日、大阪南屋台組合の組合員約60人が「屋台飲食店に対する南署の取り締まりをゆるめてほしい」と陳情。物別れとなり、うち10数人が抗議のため、府庁前で深夜まで座り込んだ。まだ繁華街で多くの屋台がにぎわっていた世相をうかがわせる。 9月1日、府下で23番目の市として和泉市が誕生。10月28日、総工費3億円あまりを費やして再建された通天閣の開通式が行われた。避雷針を含めた高さ103メートル、当時日本一の偉容を誇る通天閣が復活。翌29日から一般公開され、復活を待ちわびていた大阪人らが詰めかけた。師走の恒例行事となっている「干支の引き継ぎ式」は、通天閣が復活した56年から続いているという。 11月16日、梅田コマスタジアムが華やかにこけら落とし。12月1日、豊能郡箕面町と三島郡豊川村が合併し、24番目の箕面市が発足した。ようやく戦後復興は軌道に乗ったものの、高度経済成長期に入る前の大阪のざわついた姿が浮き彫りになってくる。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)