歴史はなんと約2000年! 柑橘の神様を祀る「橘本神社~御所の芝」みかん発祥の地を巡るハイキング
はじまりの地「六本樹の丘」
橘本神社から橘本土橋を渡って加茂川を越えます。熊野古道のルートであればこのまま北へ直進ですが、せっかくなので少しだけ西に逸れて、田道間守命が最初に橘を植えたとされる「六本樹の丘」を経由しましょう。 民家が点在する平地から坂を上がれば上がるほど、周囲の景色はみるみるうちに、みかん畑に変わってゆきます。そんなグラデーションを楽しんでいるうちに、六本樹の丘に到着。 その左手に、弘法大師が開基したとされる「岩屋山金剛寿院・福勝寺」があったので、30分ほど寄り道。長い石段を上がり、洞窟の奥から滝の裏側を眺めることができる裏見の滝を拝んで、もとのコースに戻りました。 福勝寺に寄った時点で「石段しんどい」と文句を言いはじめた母。予定のコースのまだ序盤だと伝えると、「こんなことならトレッキングポールも持ってくればよかった~」と、マイ杖の重要性をぶつぶつと説いていました。
みかん畑に囲まれる旧熊野街道
六本樹の丘からは、熊野古道との接続ポイントが再び出てくるまで、しばらく旧熊野街道を歩きます。大きな蛇行を繰り返しながら、山のてっぺんまで伸びる1車線道路。右を見ても左を見ても、みかん畑。振り返ると、さっきまでいた橘本神社のあたりの平地が見下ろせます。 みかん農家の軽トラックがときどき通り過ぎるのですが、そのたびに母はニヤッと笑って「もうヒッチハイクして帰ろうか」と言い出す始末。まだ折り返しにも達していないのに、先が思いやられます。
段々畑の狭間に熊野古道の入口
旧熊野街道を進んでいると、見事に積み上げられた石垣がたびたび姿を見せます。400年以上前に、農家が海沿いの急峻な山々を開拓し、この石積みの段々畑を築いたのだそう。坂道を歩くだけでも大変なのに、すごいですよね。 先人たちの努力に思いを馳せているうちに、ついに熊野古道の入り口が見えてきました。 本記事では、みかんの歴史に触れるゆるやかなコースをご紹介しました。熊野古道に入り、ついに本格的な山道へ入るところは、また別記事にてご紹介します。果たして、ビギナーの私より気力と体力のない母は、最後まで登りきれるのでしょうか?
前田 有佳利(FootPrints)