C大阪に勝利も二桁得点者がいない現実。例えば鹿島からレンタル中の荒木が来季いなくなったらFC東京はどうするのか【コラム】
「+1 GOAL」は看板倒れ
2024年12月8日、FC東京が味の素スタジアムで今季のホーム最終戦(相手はセレッソ大阪)を迎えた。現役引退を表明したディエゴ・オリヴェイラがキャプテンマークを巻いたホームチームにとっては、このブラジル人FWを良い形で送り出すためにも絶対に負けられないゲームだった。 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開! 立ち上がりから攻めの姿勢を見せたFC東京は12分、荒木遼太郎のスルーパスに反応した仲川輝人のゴールで先制。相手に押し込まれるシーンがありながらも、ボランチの東慶悟や高宇洋の献身などもあって耐え凌ぐ。ディエゴのために。そんな想いがFC東京の選手たちからは感じ取れた。 正直、今季のFC東京から戦術的な面白さを感じるケースは少なかった。どちらかと言えば個人技に依存していた印象で、ピーター・クラモフスキー監督のカラーはあまり見えない。どういうサッカーを志向し、どう攻めるか、どう守るか、そのあたりがぼやけているからチームのパフォーマンスは安定しなかった。それはJ1リーグでの順位(7位)からも分かるだろう。 この日も目立ったのは、荒木や仲川らの個人技である。例えば鹿島からレンタル中の荒木が来季いなくなったらどうするのか、そんな捻くれたことを考えながら記者席から試合を眺めていた。 結局ゲームは高のミドル弾、エンリケ・トレヴィザンのゴールもあり、FC東京の勝利(スコアは3-0)に終わった。それでも、この白星を喜んでばかりもいられない。 今季シーズン開幕前に掲げた目標「+1 GOAL(ワンモアゴール)」は看板倒れに終わった。リーグ戦での二桁得点者がひとりもいない現実が全てを物語るか。 C大阪戦の勝利、感動的なD・オリヴェイラの引退セレモニーに水を差すのは承知で、あえて苦言を呈す。 取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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