春の絶景「美しい花・山藤」奈良・春日大社は今が見ごろ!
地面を削らず、自然の地形を生かして建てられた。回廊も斜めで、連子窓の傾斜も微妙に違う。
巫女の簪(かんざし)やお守りなど随所に藤のモチーフが! 1000年前の雅なお祭りが途切れることなく続く。写真は春日若宮おん祭にて。
■藤の紫と朱色。自然と人が織りなす唯一無二の景色がここに まるで境内、中門や回廊を覆うように山藤が咲き誇る。約3000基もある灯籠は、平安時代から現代にいたるまで、貴族、武士、商人や一般人などから広く奉納されたもの。
そのデザインの中にも多く藤が登場する。近代では中門にかかる近衛篤麿が奉納した金の釣灯籠が見事!
春日大社 8世紀初め、鹿島(常陸国・現在の茨城)から武甕槌命(タケミカヅチノミコト)が鹿に乗ってきて御蓋山に降臨し、経津主命(フツヌシノミコト)、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)、比売神(ヒメガミ)をあわせてお祀り。その後、768年称徳天皇の命により現在への社殿が創建されたのがはじまり。今も宮中から勅使が参向する春日祭はじめ、春日若宮おん祭など、応仁の乱など戦乱がない奈良にそのまま残っている祭りや芸能も多い。
■Data 奈良県奈良市春日野町160 ☎0742・22・7788 御本社参拝自由 6:30~17:30(3~10月)、7:00 ~ 17:00(11~ 2月) 御本殿特別参拝料/¥500(中門および回廊) 9:00~16:00 JR・近鉄奈良駅から奈良交通バスで約15分 ※藤の見ごろは4月中旬から5月下旬まで 撮影/桑原英文 取材・原文/エクラ編集部