「離婚の報告」会社や友人…いつ誰に話す?お祝い金は返す?報告をされた時の答え方は?マナー講師が解説
喜びの報告と違ってなかなか言いだしにくい離婚の報告。その後の関係をよりよくするために報告する側、される側にもプラス思考の配慮が必要です。どうすればよりスマートに報告できるか、今時の流儀について、マナー講師の井垣利英さんに聞きました。
Q. 会社への報告は、いつ、誰に?
A. 結婚する場合と同様、会社では離婚のさまざまな手続きが必要です。離婚届の提出後、もしくは離婚することが“決定事項”になったタイミングで直属の上司には1カ月以内のなるべく早めに、総務関係にも「お手数をお掛けします」と伝えると丁寧です。同僚には、休憩時間やランチタイムなど、折を見て話すようにするとよいでしょう。言い出しにくくても迷惑を掛けないように誠意を見せることが大切です。理由は「性格の不一致」など当たり障りのない内容で相手が受け止めやすくするのもマナーです。
Q. 友人関係へはどこまで知らせる?
A. 付き合う頻度の高い友人には事情を伝えることで、より強い絆が結ばれることもあるでしょう。結婚式に招待した友人全員に報告する必要はなく、あくまで現在付き合っている人を優先して報告します。上司や同僚と違って、相手を見て離婚に至るまでのプロセスや本当の理由を聞いてもらってもいいでしょう。「私は聞いていない」と憤慨する友人が出ないようにする配慮を忘れずに。
Q. 結婚直後の離婚の場合、お祝い金は返金するもの?
A. 結婚後まもなく離婚に至る、という話もないわけではありません。お祝い金をいただいた手前、あまり直後の離婚となると報告しにくいかもしれませんが、必ず伝えるようにしましょう。親類縁者には両親から、友人たちには自分から報告することにしてもよいでしょう。お祝い金は返金する必要はありません。折を見て食事に誘うなど、新しいスタートを切って前向きに過ごしていることを伝えられたらベターです。
Q. 職場の人から離婚報告を受けたときの対応は?
A. 「どうしてですか?」と詳しく理由を聞きたがるのは、配慮のないNG行為。あまり話したくない人や事情を抱えている人もいることを考えて「えっ、そうなんですか!」とあまり大げさにならない程度に驚き、相手の反応に合わせるようにしましょう。「じつはね……」と話したい雰囲気であれば聞き役になり切りますが、あまり踏み込まないこと。どちらの場合も深刻な話は職場ではタブー。相手が前向きになるようなプラスの言葉を使い笑顔で対応しましょう。 いがきとしえ●マナー講師。フリーアナウンサーを経て2002年に人材教育会社「シェリロゼ」を起業。おもに企業の経営者や社員を対象に、年間100本以上の社員研修や講演会を行う。延べ3万人を指導。 取材協力=井垣利英(シェリロゼ) 編集=吉岡博恵、八木あきほ 『婦人画報』2024年7月号別冊