天皇陛下、テムズ川の治水施設ご訪問 在留邦人らとご交流も
「いつの日か再びテムズを間近に眺め、テムズとともに過ごした青春の日々を回顧できたら」。著書には、こうもつづられていた。
今回、ご視察先に盛り込まれたテムズバリアは、過去の大洪水を教訓に建設された世界最高水準の洪水防止システムで、開通式には、英女王エリザベス2世も臨席した。地域を高潮から守ってきたが、気候変動による海面上昇への対応も課題となっている。
陛下の研究を支える広木謙三・政策研究大学院大教授は、水運史から世界の水問題へと研究対象を広げられている陛下には「非常に興味深い施設ではないか」とした上で、「テムズ川の再訪を通じて原点に立ち戻り、水の研究家としてこれまでのお歩みを振り返られる意味でも、大変良い機会になるのでは」と話している。