注目金争い。米メディアはメドベびいき?「彼女の時間は終わっていない」
NBCスポーツでは、2位発進となったメドベージェワをクローズアップする記事も掲載した。 ヘッドラインは「メドベージェワがミックスゾーンでテレビの画面に釘付けとなっていたとき、頭によぎったものは何だったろうか」というもの。 2016年、2017年に世界選手権を制し、この1月の欧州選手権でザギトワに敗れるまで2年間無敗だったメドベージェワが、第5グループの第1滑走者として81.61の世界最高記録を更新しながらも、わずか20分後にザギトワに世界記録を塗り替えられ、その瞬間を取材ゾーンのモニターで確認していたシーンを報じた。 メドベージェワは、「自分の演技に満足しているが、ご覧のとおり、十分でなかった」と、その直後にメディアに語ったという。同記事は「スケートファンたちに、この競技の運勢がすぐに変わることを改めて思い知らせた」と続け、1年前は、まだ世界ジュニア選手権の覇者だったザギトワの勢いを伝えている。 メドベージェワは18歳でサギトワは15歳。 「この10年間、ロシアの新しい10代の選手が毎年、出てきているようだ」と、ロシアから世界トップ級の新しいスケーターが次から次へと生み出されている状況を紹介。2014年のソチ五輪で金メダルを獲得したアデリナ・ソトニコワ、キャンドルスピンと名づけられたビールマンスピンで有名になったソチ五輪団体の金メダリストとなったユリア・リプニツカヤ、2015年の世界選手権では、前年のロシア選手権が10位だったエリザベータ・トゥクタミシェワが彗星のごとく出現して優勝したという過去の3人の例を紹介した。 「この3人に加え、2013年、2014年に世界ジュニア選手権を制したエレーナ・ラジオノワでさえ、今回の五輪でロシア代表の3人枠に入ることはできなかった」と、ロシア国内の選手層の厚さを伝えると同時に、入れ替わりの激しい国内競争の中で、メドベージェワが2年間にわたり世界女王の座を守ってきたことを「特別なことだ」と評価した。 「メドベージェワは、キム・ヨナ、浅田真央の持つ世界最高得点を更新し、今も点数を伸ばしている。だが、新たな10代選手(ザギトワ)で、自身の練習相手でもあるスケーターの点数に追い付くには十分ではなかった。もしザギトワがフリーでも(トップを)維持すれば、負け知らずだったメドベージェワが、4年に1度という五輪のサイクルの中では勝てなかった、という悲運のケースとしてフィギュア史に刻まれてしまうかも。だが、フリーの4分30秒が残っている。メドベージェワの時間は、まだ終わっていない」と、メドメージェワのフリーでの逆転優勝にエールを送った。 米国での人気度は、シニアデビューしたばかりのザギトワよりも、愛らしい笑顔の似合うメドベージェワの方が高い様子で、SPでは2位に終わっている“女王”の奮起に期待するような米メディアの記事内容が目立った。メドベージェワが右足の甲を骨折。ロシアの国内選手権に出場できず、1月の欧州選手権でようやく復帰してきたという悲運のストーリーに感情移入しているのかもしれない。 注目のフリーは1日の休養日を挟み23日に行われる。