ウェッジで「高く」、「柔らかく」打つための4つの「基本原則」とは?【解説「ザ・ゴルフィングマシーン」#108】
ゴルフの科学者ことブライソン・デシャンボーの「教科書」であり、50年以上もまえに米国で発表された書物でありながら、現在の多くの指導者に影響を与えた「ザ・ゴルフィングマシーン」。その解釈者でインストラクターでもある大庭可南太が、ウェッジのフェースを「開いて」使う際の注意点について解説する。
みなさんこんにちは。ザ・ゴルフィングマシーン研究家でインストラクターの大庭可南太です。さて先日参加してきましたTPI(Titleist Performance Institute)のセミナーの内容から、今回はやや実践的な内容についてお伝えしたいと思います。それはウェッジゲームの基本的なセットアップと、誰もがトラウマになる「シャンク」の関係についてです。
ウェッジでも「ダウンブロー」
まず一般論として、グリーン周りでウェッジを使う状況というのはなるべく「高く」、「柔らかく」ボールを打てるほうが有利と言えます。もちろんピッチエンドランが有効な状況もありますが、グリーンが硬い場合には、ある程度高さを出せたほうがボールは想定したところに止まりやすいですし、また高いぶんキャリーが出せるので、途中の起伏をある程度無視できるからです。 いっぽう、「柔らかく」ということはヘッドスピードは出せませんので、ボールコンタクトをクリーンに保つ必要があります。PGAの芝は日本に比べて密度も濃く、また芝の種類も豊富なので、フェースの想定したところでボールにインパクトできることが重要になります。 ここから「原則その1」として、どのような状況でもアッパーブローになることがあってはならない、つまり「ヘッドのインパクト軌道は必ずダウンブロー」になるということが挙げられます。この結果、下半身を大きく使うことがないウェッジショットでは、「アドレスからフィニッシュまで左足体重多め」にしたほうがダウンブローにしやすくなります。 アマチュアの場合、高いボールを打ちたいロブやバンカーショットなどのときに、どうしても「すくい上げる」動きが入りやすいので、ホームランしてしまう確率が高くなります。